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湯上がり慕情 浴衣娘と中年ピンチ君
第2章 初体験
 由香は彼の体を抱いて、うっとりとしている。
「んっいい、すごくいい。ねえ、もう一度最初からして?」
 と由香は、可愛いく甘えるように言った。
 ラブホに行くと、健太はこれを何度もリクエストされる。そのあと、同じペースで深突きを強要される。
いま、由香は尻をゆっくりと上下に動かし、時間を忘れているらしい。
「由香ちゃん、時間がないから今夜はだめだよ。あと十分くらいしかないよ?」
 由香は可愛い素振りで唇を尖らせ、反抗するように彼の脇腹あたりに両脚を回して締めつけ、足首をクロスさせた。
「アンもう……、じゃあラブホに行ったとき、いっぱいしてくれる?」
 と言って彼を抱きしめ、由香は再び尻を上下にゆっくり動かし始めた。
「もちろんだよ」
 健太は彼女の乳首を甘噛みしながら、尻を前後に動かし、少しずつ深く挿入し始めている。

     (四)
 野上はソファに腰を下ろしていた。テレビは時代劇を放送していた。
(奈々は終わっている頃かな)
 壁に掛かる時計を見て、野上はそんなことを思った。娘も気になる。山下に電話をかけてもいいが、この時間では迷惑になるかもしれない。直接、由香に電話を入れてもいいのだが、信用していないと思われそうで、それも出来なかった。
 一方、奈々はミーティングが終わり、車に乗ったところだった。彼女はすぐにスマホを開いた。着信があることから、彼のような気がした。だが駐車場に停めたままだと、ショップの先輩たちから誘われかねない。後で読むのが正解だね、と奈々は思うのだった。

 その頃、健太たちは高台をあとにしてバイパスを走っている。FMラジオからは、いつの間にか落語が流れ、二人はそれを聴いていた。
 いつもはお姉さま風の由香なのだが、健太といるときにはちょっと違うようだ。
 こんな夜は健太と二人で夏の渚を歩きながら、どこかで立ち止まって、ロマンチックな気分で抱きしめられたいと、由香はそんなことを思っている。
 それまで健太に寄り添っていた由香は、助手席に深くもたれた。斜め上目づかいで健太を見て、可愛く話し始めた。
「ねえ健太くん、私、ちょっとお願いがあるんだけど」
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