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湯上がり慕情 浴衣娘と中年ピンチ君
第3章 仕込む
 野上はスーパーに向かいながら、健太と山下が浮かんだ。海が荒れているときには、漁に出ないことは知っている。
 すると降って湧いたように娘と健太の近未来が、野上の頭に浮かんだ。
(由香と健太が結婚した暁には、こんなヒマな日には朝から何をするんだ?)
 車を走らせながら、浮かび上がろとするいかがわしい状況を、吹き飛ばすように野上は頭を振った。そんなことを想像したくないのだ。
 スーパーに近づいたころ、メールが届いた。奈々からだと思った。だが野上はそのまま駐車場に向かった。それを読むのは車を停めてからである。

 駐車場に着くと、野上お気に入りの車を停める場所がある。
 自動ドアが見える辺りまで進んで行くと、レンガで囲まれた芝生の中に、邪魔にならない程度に剪定された三メートルほどのモミの木が植えてある。
 風雨は強くなっていた。これほどの雨足だと買い物客は少ないようだ。今日はタイミングよく、その隣りは空いていた。
 軽トラックを停めた野上は、簡潔ワイパーに切り替えた。フロントガラスには滝のように雨が流れた。
 風雨の音を耳にしながら彼が携帯を見れば、メールは予想通り奈々である。
《野上さん、六時に待っています。すごい雨ですね》
 野上はちょっとがっかりした。メールは簡単で、昨夜のようないやらしいことを全く書いていないのだ。
 性器がいやらしく思えるとか、教えてとか。これまでそんなメールを送ってきてはいても、実際に会うとなれば理性が働いたに違いない。
《オーケーだよ。じゃあ自動ドアの前に買い物かごを置いてある場所があるから、そこで》
 野上が送信すると、すぐに返信が届いた。
《はい》
(変だな、もしかすると奈々はこの駐車場に?)
 何気に野上がスーパーに目を向けたときである。薄桃色の傘をさした女性が、髪を乱して足早に入り口に向かうのが見えた。
 野上の指が、ワイパーのスイッチに触れた。
 女性は膝丈よりも短い、花柄の白っぽい半袖のワンピースを着ていた。小さなバッグを手にして、服と同系色のローヒールの靴、色気のあるふくらはぎだ。
(あの脚線美とスタイルは、奈々なのか?)
 女性は自分の傘を、大切そうに傘立てに入れている。そして買い物かごが並ぶところまで行ったとき、そこで足を止めた。駐車場を眺めるように彼女が振り返ったとき、野上にはその女性が奈々だと分かった。
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