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湯上がり慕情 浴衣娘と中年ピンチ君
第3章 仕込む
 野上が時計を見たとき、十五分も早かった。
(俺より早く来ていたのか?)
 少し前には、奈々にも理性が働くのだろう。野上はそう思っていた。
 だが、今の奈々の服装から、それは感じられない。手を伸ばせば、簡単にパンティを脱がせてしまえそうなワンピースである。車のシートに尻を下ろせば、太ももが露わになることくらい、彼女は分かっているはずだ。
 軽トラックの車内に、風とワイパーの音、屋根を叩く雨音が響き続けた。フロントガラスの向こう、奥まったスーパーの出入口には、太ももを揃えた奈々が立っている。
 太ももを閉じて…くびれ感のあるウエスト、尻も想像できる。可愛いルックスに格好のよさそうな胸。奈々がセックスを期待しているのは一目瞭然、とそんなことを思う野上だった。
 見知らぬ男が、彼女の隣りを通り過ぎて行った。
 舐めるように彼女を見て、スーパーに消えていく男の考えは、自分と同じだろうと思う。この可愛い女をラブホに連れて行き、仰向けに寝かせて自ら股を開かせるときには──と、分かる気がした。
 野上は傘を取り出した。
 入口に立つ奈々は、駐車場がよく見えていた。確信できないものの、モミの木の隣りに彼の車らしき白い軽トラックが停まり、ワイパーが動いている。運転席に座る男の格好からして彼のように思え、ちょっと可笑しかった。

 一時間前、風呂上がりの奈々はベッドに下着を並べた。
 彼女はセクシーなものを選びながら、彼が冗談のようにメールで言った、《あそこに触らせて》と、昨夜のことが頭から離れなかった。選んだパンティは、透けて見える物だった。
 それを穿いて等身大の鏡に映して振り返ったとき、尻の半分ほどしか隠されていなかった。
 揃いのブラは指で下げるだけで、簡単に乳首が露わになる。少しでも下げれば、胸まで露わになった。
 ワンピースは下着が透けて見えない、花柄のものを選んだ。

 奈々は軽トラックを見ていた。ドアが開いて黒い傘がひらいた。背の高さとリーゼント、渋い系のルックスは、やはり彼だった。
 土砂降りの雨の中を、彼が近づいてくる。この下着は正解だった、と奈々は思った。
 彼を見ているだけで、狭い車内で胸と乳首を露わにされて、パンティを脱がされる状況が浮かんでくる。まだ触られてもいないのに…あそこが濡れて、体中が火照ってくるのが、奈々は自分でも分かった。
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