この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
湯上がり慕情 浴衣娘と中年ピンチ君
第1章 それぞれの思惑
 一週間前、奈々は職場で野上の履歴を確認している。
 彼はバツありで、隣り町で娘さんと暮らしていることも調べて分かった。スマホを預かったときには、女性のメール相手は娘の由香さんだけだった。
 買い物を済ませた奈々は出口に向かいながら、いまの野上さんに女は絶対にいないはず。それにあれだけ私の体を見ていたから脈ありだね、と、自信はあった。
 自動ドアが開くとき、奈々はどきどきしていた。ドアの向こうで彼は待っていて、そのあとベッドで大きく脚を広げられ、何度となく抱かれることを期待していたからだった。
 彼が白い軽トラックに乗っているのは、職場に現れたときから知っていた。しかし外に出たとき、彼の姿はなく軽トラックもなかった。
 立ちつくす奈々の目には、空きが目立ちはじめた駐車場と、レジ袋を手にして話しながら車のドアを開ける、自分と同世代のカップルらしき姿だった。
 アスファルトの熱を含む微風が、彼女の黒髪と、スカートの裾を微かに揺らした。
(どういうこと? あれだけ彼に餌を撒いたのに。抱かせてあげるって、言っているようなものなのに──)
 しかし今、頰に髪を少し乱して駐車場を眺める奈々の目は、何かを企んでいるのか強気で鋭かった。
(でも大丈夫。野上さんのアドレスは知ってる)
 彼が独身と分かっている以上、自分のもにすると決めている奈々は、今後の様々なことを考え始めているのだった。

     (二)
 生け垣に囲まれた野上家の車庫には軽トラックと、その隣りにワインレッドの国産の四輪駆動車が停まっていた。
 由香からは、前々から小さな車がいいと野上は聞かされていた。
 しかし昨年、由香が免許を取得すると同時に、この車なら絶対に安全だからと説きふせ、半ば強引にそれを買い与えた。娘には甘く、彼は由香の言うことには殆ど無抵抗である。しかし娘の身の安全、それだけは譲れなかったのだ。

 夕食が終わると、いつもと変わりない夜だった。
 窓辺には新しい花が生けられている。
 由香は、高校生のときから学校が長期の休みに入ると、近所の花屋でアルバイトをしていた。現在もそれは続き、窓辺の花はそこで貰ったものだ。
 幼稚園の頃の由香は近所の草花を飾っていた。彼女が花を飾るのは幼い頃から続いていた。
/152ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ