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第14章 熱愛目出し帽

　そんなことを思い出しつつ、亜沙子はのしかかってきた覆面男の股間をまさぐった。
　ズボンの上からでも、野太いペニスが鋼のように硬くなっているのが感じ取れた。

「相変わらず、大きいのね」

　手のひらをかぶせて、やわやわと揉んだ。
　取り出して舐めてやってもよかった。

　その瞬間、なぜか古森啓太の顔が浮かんだ。
　想像の部下が向けてくる非難の眼差しに、強い罪悪感を覚える。

　今日も古森は頑張っていた。
　不器用だが、仕事にかける情熱は誰よりもある若者だ。
　プロモーション会場で汗だくで働く姿には胸を打たれた。

　村木に嫌味を言われた時、彼なりにフォローしようとしてくれたのは分かっている。
　それを素直に受け入れられない自分の狭隘さに嫌気がさした。

（ふん。どうせ古森くんなんか、貧弱なペニスに決まってるわ）

　胸底でかってに決めつけ、あてつけのように山野辺の巨根を愛でた。
　弓なりの肉槍がズボンの布地を突き破りそうだ。

　亜沙子の色香でこんなになったと思えば、女として誇らしくもあった。