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Eternal
第4章 :jealousy-嫉妬-
「最終審査まで残った方は、名前を呼ばれたら一人ずつこの中央まで進んで一度止まり、クルリと一回転をしてから、審査員に何かしらのアピールをして下さいね」
 アピールの方法は言葉でも行動でも何でもいいとのこと。しかし男性はリハーサル自体はどうでもいいらしく、私に進行役の方へ指を指しながら問いかけてきた。
「おい、あれが前に会ったという主催者か?」
 その予行練習の進行役であろうそれを見た私は、ううんと首をひねった。
「違います。それにこのホール内にはいないみたいです」
 友人と出会った時の主催者とは全く異なるそれに疑問を持つ。予行練習の時に進行役ではないにしろ、普通なら立ち会っているのではないかと思ったのだが、暗いホールの中を見渡しても、あの時の主催者の姿がない。
「恐らく主催者は本番も姿を見せないな」
 彼が蚊の鳴くような小さな声音で呟くと、いつの間に仲直りをしたのだろうと思われるほどに、男性がその言葉に頷きを起こしていた。
「ああ、こっち側の動きを察知しているのかもしれない」
「してるさ。首都で使用するナンバーも必要だったんだろ?」
「…… らしい」
「それであのステージにいる『ヒト』の女の相手がすぐに分かるじゃないか」
「でもな、俺の相手のナンバーはそれが分からないように策を施してあるんだ」
「ということは……」
「狙われるのは、俺の相手だ……」
 男性と彼は一体何を話しているのかさっぱりと分からないが、会話の内容からしてかなり物騒で、不安とこの場に隠れていて見つからないようにするために緊張している空気が彼らに感じ取れたのか、男性と彼はいきなり違う話に方向を変換させた。
「そういえば、俺の相手ってどれ?」
「え? お前、相手の顔も知らないのか?」
「だってよ、皆同じドレス着てて分厚いメイクしてるんだぜ。分かるわけがない」
 相手の姿形はデータとして頭の中にインプットされるらしいが、確かにここからでは確認しにくいかもしれない。なぜなら私だってこの暗闇の中からあの明るいステージの上は眩い光が放たれていて、真白なファンデーションを塗りたくられている女性の顔がそれに反射して能面のように見えるのだから。
「どれでしょう…… 私もどれが友人なのか分からないです」
 と答えた時、ようやく友人を確認することができた。
「ステージ右から数えて三番目が私の友人です」
「どれどれ……」
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