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Eternal
第4章 :jealousy-嫉妬-
 私が遠慮気味に指差す方向に男性が目を凝らす。そして顔をいきなり俯き加減にさせると、深い溜め息を吐き出しながら髪の毛をくしゃりとさせた。
「うっわぁ…… めっちゃ俺好みじゃん」
 友人は背は低いが幼顔であり、実年齢よりかなり若く見える。それに女の私から見ても納得できるほど可愛らしく、性格もまたいい。ただ、かなりの強がりで頑固ではあるけれども――
「何でミスコンなんかに参加したのかねぇ……」
 男性は友人の方に釘付けになりながら意味不明な言葉を吐き、何度も深い溜め息を吐き出し続けていた。


「んじゃ、俺は署に戻るわ」
 まだリハーサルが終了しない間に俺たちはホールから出て大学からの帰途、そいつは彼女のマンションの前に車を止めると、俺と彼女に向かって早く降りろと言わんばかりに片手をひらひらとさせた。まだどんよりとした厚い雲が空を覆っているものの、雨は止んでいる。ただ冬の時期のこの天気は身体から体温をすぐに奪うほどの冷気をそこら中にばらまいていた。
「寒いな……」
 車から降りた俺はあいつが運転する車を見送りながらぼそりと呟く。別に彼女のマンションに入れてもらいたかったわけではない。ただ単に寒いと伝えたかっただけだ。しかし彼女は何かを思い出したように、突然俺の腕を掴んで引っ張ってきた。
「あの!」
「何?」
 昨日と同じく何かを言いたげで、それを言うにはかなりの勇気がいるのか、彼女の俺の腕を掴む手の力は昨日の拳を作っていた時のような力が働いているようだ。女にしてはかなり強いが、俺にとってその掴む力は痛くも痒くもない。彼女は少し間をおいてから俺の方へと真っ直ぐに視線を向けてきた。
「今日、ポトフというスープを作ってみたんです。寒いですし温まりますよね?」
 つまりは彼女の部屋に入って食って行けという含みを持たせた言葉に、俺の腹は正直に頷きの音を出していた。
「わ、悪い…… 今朝から食ってなかった」
 早朝に研究所を出て自分の部屋に戻ってシャワーを浴びた。そして好きではない、寧ろ嫌悪しているザーザー降りの雨の中を車でここへとやって来たのだ。彼女のマンションの階まで行くと異様な光景に出くわした。俺の知り合いが彼女を無理矢理引っ張っていたのだ。この時に俺の脳内は爆発するのではないかと思われるほどの怒りが生じていた。
「おい、何をしている?」

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