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Eternal
第4章 :jealousy-嫉妬-
「ミスコンの主催者の姿は確認できませんでした」
「そうか…… 『E地区』の完璧になった男の人数の確認はとれたか?」
「とれましたが、調べると意外に人数が多くて驚きました」
 男の言葉に上司である男が溜め息を吐く。
 細胞から誕生した男たちは『ヒト』の女が最初の経験でもあり、それに依存しやすい。しかし『ヒト』の女はやはり『ヒト』なのだ。恋愛の真の本質は自由だ。この首都に入った『ヒト』の女には既に決まった相手がいるが、その相手と過ごして感情の成長を助けて首都から地方へ戻ると、首都にはない自由があり、今まで首都でがんじがらめにされていた『ヒト』の女たちの殆どが地方で暮らす『ヒト』の男たちに惹かれる傾向にある。それは過去からずっと続けている調査によって出されたデータではっきりと示されていた。その中には病死であったり、あまり公にはしたくないが、不慮の事故や、最近地方で多発している強姦などの事件によって命を落とす『ヒト』の女も少なくはなかった。そうして相手を失った元『E地区』の男たちが再び首都へ戻って来る現状が最近増えている。しかし今、この部下の目の前でこのことを明かすつもりはない。なぜならこの男はこれから『ヒト』の女と共に暮らして感情という複雑な心理学的な知識を身につけていくのだから。しかし部下にも今は不憫なことをさせていると、上司は再び溜め息を吐いた。
 部下の相手になる『ヒト』の女が今、この首都で頻繁に起こり始めている事件に巻き込まれようとしているのだ。それを誘発したのは犯人だが、それに乗っかって利用しようとしているのはこちら側だ。部下は主催者の姿が確認できなかったと伝えてきた。つまり犯人を掴まえられるか否かの確率がフィフティフィフティという状況である。
「ミスコンは一月三日。大学側には既に詳細を伝えてある。我々に協力してくれるらしい。いいか、コンテスト参加者を必ず無事に……」
「当然ですよ……」
 上司が最後まで言葉を伝える前に、部下の男がそれを遮った。
「絶対に守りますよ……」
 それは役職としての責任感か、将又個人的な―― 恐らく部下にとっては後者なのかもしれないが、コンテスト会場という密室で助けるとなれば一人も数人も変わりはしない。
「警察官百人態勢であたれ」
 上司は部下が予想しなかった警察官の人数をその場に配置させる指示を伝えていた――。
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