この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
Eternal
第5章 :Reverie-夢想-

外に出てしまうとその機能は果たせない。だから電話を切らないで欲しいと願ったのだ。
「連れ出されたのかもしれないということだな?」
俺の言葉に彼女は頷いたが同時に首を傾げた。
「どこかに連れて行かれてるのなら何かしら音がするはずなのにしないんです」
「何の音もしない?」
「ええ……」
部屋から出ていなければその場所で何らかの応答があるはずだ。それがないと彼女は言う。だから心配になって今から友人のマンションへ行く所だったと言う。俺はその言葉に多大な不安を感じ、共に行くと伝えた。
「でも、徹夜明けだったんじゃ……」
遠慮がちに言葉を紡ぐ彼女。しかし今日は彼女のマンションで眠ることなんてできるはずもない。なぜなら今から本当ならば…… 俺は今日の予定を思い出して呟いた。
「引っ越し業者に連絡しないとな」
しかしこの前に彼女が見せたのは大きなキャリーバッグ一つだけ。それだけで引っ越しは完了すると言っていた。今や家具付き小道具付きの賃貸マンションなど当たり前の時代となっている。キャリーバッグ一つだけで引っ越し作業が完了するなど、恐らく彼女だけではないだろう。
「引っ越し業者など頼むべきじゃなかったな」
俺はそう呟いてから不動産へ連絡を取った。それは引っ越し業者が必要ではなかったということ。引っ越しをする旨を賃貸主に連絡だけして欲しいとのこと。その確認を取った俺は彼女の部屋に入り、キャリーバッグを担ぐと、
「行くぞ」
と一言だけ放って彼女と共にマンションを出た。
「来るかな? 彼女は来るかな?」
男が楽しみで堪らないように呟く。その光景を彼女の友人は不安と恐怖に苛まれた中でも気丈でいた。頑固で強がりな友人はこのような危険な状況の中でも理性は失っていなかった。
口元を布で覆われた後に激しい痛みで意識を失わされた後に気付けば自室に連れ込まれていた。主催者はその時にその部屋のセキュリティの解除をしっかりと行っていたのである。だから今、自分の友人に伝えられるのは携帯の電話だけだと思っていたのだが、どうやらこの男はかなり頭が回るらしい。自分が気を失った後に指先にある通話機能までもをオフにしたようだ。
今は痛みがない。しかし妙に全身がふわふわとしていた。
「あれ、目覚めたかな?」
主催者は彼女が目を開けているのに気付いてニヤリと笑んだ。歪んだ笑みが彼女の瞳に醜く映る。
「連れ出されたのかもしれないということだな?」
俺の言葉に彼女は頷いたが同時に首を傾げた。
「どこかに連れて行かれてるのなら何かしら音がするはずなのにしないんです」
「何の音もしない?」
「ええ……」
部屋から出ていなければその場所で何らかの応答があるはずだ。それがないと彼女は言う。だから心配になって今から友人のマンションへ行く所だったと言う。俺はその言葉に多大な不安を感じ、共に行くと伝えた。
「でも、徹夜明けだったんじゃ……」
遠慮がちに言葉を紡ぐ彼女。しかし今日は彼女のマンションで眠ることなんてできるはずもない。なぜなら今から本当ならば…… 俺は今日の予定を思い出して呟いた。
「引っ越し業者に連絡しないとな」
しかしこの前に彼女が見せたのは大きなキャリーバッグ一つだけ。それだけで引っ越しは完了すると言っていた。今や家具付き小道具付きの賃貸マンションなど当たり前の時代となっている。キャリーバッグ一つだけで引っ越し作業が完了するなど、恐らく彼女だけではないだろう。
「引っ越し業者など頼むべきじゃなかったな」
俺はそう呟いてから不動産へ連絡を取った。それは引っ越し業者が必要ではなかったということ。引っ越しをする旨を賃貸主に連絡だけして欲しいとのこと。その確認を取った俺は彼女の部屋に入り、キャリーバッグを担ぐと、
「行くぞ」
と一言だけ放って彼女と共にマンションを出た。
「来るかな? 彼女は来るかな?」
男が楽しみで堪らないように呟く。その光景を彼女の友人は不安と恐怖に苛まれた中でも気丈でいた。頑固で強がりな友人はこのような危険な状況の中でも理性は失っていなかった。
口元を布で覆われた後に激しい痛みで意識を失わされた後に気付けば自室に連れ込まれていた。主催者はその時にその部屋のセキュリティの解除をしっかりと行っていたのである。だから今、自分の友人に伝えられるのは携帯の電話だけだと思っていたのだが、どうやらこの男はかなり頭が回るらしい。自分が気を失った後に指先にある通話機能までもをオフにしたようだ。
今は痛みがない。しかし妙に全身がふわふわとしていた。
「あれ、目覚めたかな?」
主催者は彼女が目を開けているのに気付いてニヤリと笑んだ。歪んだ笑みが彼女の瞳に醜く映る。

