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Eternal
第5章 :Reverie-夢想-

「君はとても可愛らしい。まるでひな鳥みたいだ。でもね……」
主催者はそう言ってから彼女の顔近くまで自分の顔を寄せてきた。そうしてこう囁く。
「姿形はね、君の友人の方が僕の研究にうってつけなんだよ」
この時に彼女の感情が揺れ動いた。それは憐れみの感情。
この男(ひと)は可哀想だ――
それを読み取ったのか、ただ彼女の表情を見て何かを感じたのか、いきなり頬を殴ってくる。
「ぐっ!」
痛みと共に、彼女の小さな身体が少しだけ部屋の中を移動する。この主催者は少し力を加減していたに違いない。身体は衝撃で揺らいだものの、吹っ飛ぶところまではいかなかったからだ。
「君、自分の今の状況をよく理解しなよ? 僕に憐れみを掛けるよりも自分の命の心配をしなきゃならないんじゃないかなぁ?」
何が可笑しいのか、主催者はヒーヒー笑う。そしてその笑み声をいきなり消すと彼女の方に再びグイッと顔を寄せた。一つ一つの動作が激しく、彼女の身体はその動きを避けようと右往左往する。それを楽しんでいるのか、主催者はわざとらしい動きで何度も彼女を襲うような動きを起こしてきた。
息が荒れる。口元も猿ぐつわを噛まされていて更にその上からナイロン製のテープで覆われている。呼吸するために鼻の穴は塞がれていないが、主催者のその動きを避けている時間はだいたい十分から十五分くらい続いた。手足も縛られていて動けない状態で、時々上体がよろけてその場に転がってしまうことも数度あったが、その度に上体は起こされて同じ動きを繰り返されていて体力が限界に近づいていた。しかし主催者はこの遊びに飽きたのか、いきなり動きを止めると、今度はいきなり正常に戻ったのではないかと思うほどの真面目な表情を顔の中に露わにした。
「いい子にしておいで…… でないと今度は切り刻んじゃう…… ぞっ!」
やはり正常ではなかったか。最後にふざけたような声音で言葉を紡ぎ終わると、喉奥を震わせながらの笑み声が薄暗い部屋の中に響き渡る。
主催者は自分の友人がここへやって来るのを待っている。ああ、通話の状態ならうまく言葉を探して来させないようにすることができたのに。私にはまだ相手がいない。もしかしたら本当にいないのかもしれない。それなら傷付くのは自分でいい。友人は相手がいて既に出会っているのだから。
主催者はそう言ってから彼女の顔近くまで自分の顔を寄せてきた。そうしてこう囁く。
「姿形はね、君の友人の方が僕の研究にうってつけなんだよ」
この時に彼女の感情が揺れ動いた。それは憐れみの感情。
この男(ひと)は可哀想だ――
それを読み取ったのか、ただ彼女の表情を見て何かを感じたのか、いきなり頬を殴ってくる。
「ぐっ!」
痛みと共に、彼女の小さな身体が少しだけ部屋の中を移動する。この主催者は少し力を加減していたに違いない。身体は衝撃で揺らいだものの、吹っ飛ぶところまではいかなかったからだ。
「君、自分の今の状況をよく理解しなよ? 僕に憐れみを掛けるよりも自分の命の心配をしなきゃならないんじゃないかなぁ?」
何が可笑しいのか、主催者はヒーヒー笑う。そしてその笑み声をいきなり消すと彼女の方に再びグイッと顔を寄せた。一つ一つの動作が激しく、彼女の身体はその動きを避けようと右往左往する。それを楽しんでいるのか、主催者はわざとらしい動きで何度も彼女を襲うような動きを起こしてきた。
息が荒れる。口元も猿ぐつわを噛まされていて更にその上からナイロン製のテープで覆われている。呼吸するために鼻の穴は塞がれていないが、主催者のその動きを避けている時間はだいたい十分から十五分くらい続いた。手足も縛られていて動けない状態で、時々上体がよろけてその場に転がってしまうことも数度あったが、その度に上体は起こされて同じ動きを繰り返されていて体力が限界に近づいていた。しかし主催者はこの遊びに飽きたのか、いきなり動きを止めると、今度はいきなり正常に戻ったのではないかと思うほどの真面目な表情を顔の中に露わにした。
「いい子にしておいで…… でないと今度は切り刻んじゃう…… ぞっ!」
やはり正常ではなかったか。最後にふざけたような声音で言葉を紡ぎ終わると、喉奥を震わせながらの笑み声が薄暗い部屋の中に響き渡る。
主催者は自分の友人がここへやって来るのを待っている。ああ、通話の状態ならうまく言葉を探して来させないようにすることができたのに。私にはまだ相手がいない。もしかしたら本当にいないのかもしれない。それなら傷付くのは自分でいい。友人は相手がいて既に出会っているのだから。

