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Eternal
第5章 :Reverie-夢想-
「体型が似ているということは、生殖器の相性もいいんだろうな。ああっ! もうすぐ君を抱き締めることができるよぉ!」
 狂った笑い声が内耳を劈く。でも何だろう? その異常さの中に彼女は悲しみを見た。いや悲しみではない。哀しみだ。その証拠に主催者の両目には微かに光るものがあった。
 抱きしめてあげたいと思ったが、手足を縛られているからそれができない。大学で心理学を専攻している彼女は抱きしめるという行為が心理的にどのような効果を表すかを知っている。しかし心理の説明をしてこの手足に自由が生まれることはないだろう。だって、
「あなたはセロトニンが不足しているから攻撃的になっているの。だから私にあなたを抱き締めさせてちょうだい」
 なんて言ったところでこの主催者が、はいそうですか…… と納得をするわけがないから。それに口元がこの状態だから、手足を自由にさせてもらう以前に言葉を発せないから不可能だ。
 主催者は言っていた。彼女…… 恐らく相手のことだろうが、その彼女の為に主催者は何かを成功させようとしている。そして焦っている。なぜなら先ほどからこの部屋の中でガリガリと響く爪を噛む音。主催者は何かに傷ついて、苛立って、そして今は精神状態を落ち着けさせようとしている。
「大丈夫、大丈夫だよ……」
 彼女を脅した後にこの言葉がひっきりなしに主催者の口元から放たれていた。
 専攻分野がそんなだから夢中になって主催者の今の状態を観察していたが為に先程の悪趣味な遊びに付き合わされていた時に気づかなかった。
 やけに体力がなく息切れを起こす。バランスを崩して転がった時に目眩のような感覚。そして起き上がらせられる度に髪の毛にねっとりとした水分が少しずつ含まれていっているような感触。
 そういえば、意識がぼんやりとしてきた。それに何か周りが……
 目の前が霞んでいく中で今の自分の身体がどうなっているのか理解する。
 感覚がないだけだった。手足なんか縛られてなんかいなかった。
 彼女はその場で上体をグラリと揺るがせて倒れる。髪の毛に含まれていたとろみのある水分が頬に。それはまだ流出を続けているからか生温さがあった。
 主催者を憐れむよりも先に自分の命の心配か…… 
 確かにそうだわ。
 今度は切り刻むか……
 まあ、もう他にはそれしかないでしょうね。
 でもなぜこんなに落ち着いていられるのだろうか?
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