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Eternal
第5章 :Reverie-夢想-

私の友人は手足を切り落とされた状態で見つかった。出血量が多く瀕死状態であった。すぐさま医療機関が動き、彼女は一命を取り留めたが、手足が戻ることがない。高度な医療技術は友人の命を簡単に救った。だから彼に今の細胞を使用する技術で何とかなるのではないかと提案をしてみたが、それはとても危険を伴うものなのだという言葉を返された。それも命を救うよりも、だ。
「俺たちはもとから様々な『ヒト』細胞を使用して造られたものだから拒絶反応もほぼないに等しい。あんた達『ヒト』はたった一つの細胞が分裂を起こしながら成り立っていると考えてくれ。その中に他の質の違うそれが埋め込まれて再生させようとしても必ず拒絶反応は起こる。相性がいい細胞もあればそうではないものもあるということだ。もしも再生に成功したとしてもその後にアナフィラキシーショックを起こす確率は百パーセントに近い」
「では、彼女はずっとベッドに縛り付けられたまま生きていくんですか?」
私の顔はパンパンに腫れていて、恐らくみっともない表情をしているだろう。しかしそんな些末事などを気にしてはいられなかった。私にとって彼女は大切な友人だった。両親と共に暮らさないようになってから、施設に入れられてからずっと共に成長をしてきたのだ。
ああ、思い出す。私たちの友人の男女がセックスをしたと聞いた時のことを。彼女は自分がもしもセックスをした時の想像をしてみたのだ。しかしそれができないと少し恥ずかし気に笑っていた。その時から彼女は心理学の勉強をしたいと考え始めていた。
「恋や愛という感情ってどこで境界線を引けばいいのか分からない時があったのよね。あのセックスをしている時の想像ができなかったのはなぜかとかさ。普通は興味があったらそういうのも簡単だと思ったんだけれど、それがなかなか! 難しいものなのね。分かる? 想像くらいなら自分の身体や心が傷つくこともないからと思っていても、脳が制御するのよ。セックスに対する恐怖心を自分で起こしているとあの時はそう思ったんだけど違うの。『ヒト』の感情って全部脳が支配しているのよ。”大脳辺縁系”と呼ばれるところでね。それを包み込むように”大脳新皮質”があって、それが理性をコントロールしているんですって。私たち『ヒト』はそれが発達しているから感情を抑えることができるの」
彼女は自分の心臓の箇所に人差し指を当てる。
「俺たちはもとから様々な『ヒト』細胞を使用して造られたものだから拒絶反応もほぼないに等しい。あんた達『ヒト』はたった一つの細胞が分裂を起こしながら成り立っていると考えてくれ。その中に他の質の違うそれが埋め込まれて再生させようとしても必ず拒絶反応は起こる。相性がいい細胞もあればそうではないものもあるということだ。もしも再生に成功したとしてもその後にアナフィラキシーショックを起こす確率は百パーセントに近い」
「では、彼女はずっとベッドに縛り付けられたまま生きていくんですか?」
私の顔はパンパンに腫れていて、恐らくみっともない表情をしているだろう。しかしそんな些末事などを気にしてはいられなかった。私にとって彼女は大切な友人だった。両親と共に暮らさないようになってから、施設に入れられてからずっと共に成長をしてきたのだ。
ああ、思い出す。私たちの友人の男女がセックスをしたと聞いた時のことを。彼女は自分がもしもセックスをした時の想像をしてみたのだ。しかしそれができないと少し恥ずかし気に笑っていた。その時から彼女は心理学の勉強をしたいと考え始めていた。
「恋や愛という感情ってどこで境界線を引けばいいのか分からない時があったのよね。あのセックスをしている時の想像ができなかったのはなぜかとかさ。普通は興味があったらそういうのも簡単だと思ったんだけれど、それがなかなか! 難しいものなのね。分かる? 想像くらいなら自分の身体や心が傷つくこともないからと思っていても、脳が制御するのよ。セックスに対する恐怖心を自分で起こしているとあの時はそう思ったんだけど違うの。『ヒト』の感情って全部脳が支配しているのよ。”大脳辺縁系”と呼ばれるところでね。それを包み込むように”大脳新皮質”があって、それが理性をコントロールしているんですって。私たち『ヒト』はそれが発達しているから感情を抑えることができるの」
彼女は自分の心臓の箇所に人差し指を当てる。

