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Eternal
第5章 :Reverie-夢想-
 しかし私がこのような言葉を放った為か、彼はフイッと顔を逸らすと、
「いや、何もなかったらいい」
 とだけを私に伝えてくると、ニュースが続いているテレビ画面に意識を向けていた。
 友人があのような目に遭ったのは私のせいでもあると、あの時の主催者の男性の言葉で理解する。私は友人の仇を討ちたいと考えていた。それには四日後に行われるミスコンに参加をしなければあの主催者とは接触することができない。それに私がもしもミスコンに参加するとなれば、あの主催者も手ぐすねを引いて待っていることだろう。しかしどうやって仇を討とうかと暫く考えに耽る。テレビの音が耳に流れ込んではくるが、その内容は頭の中に全く入ってはいなかった。だからだろう。彼の話している言葉までもが私の右の耳から左へと素通りしてしまっていたらしい。
「…… おい! 聞いているのか?」
「へっ?」
 いきなり大きな声で呼びかけられて私は意識をその場に戻す。と、彼がこちらをじっと見つめていた。それも眉間に皺を寄せて。
「何を考えている?」
「えっと、何も…… 考えていません」
「そんなことはないな。あんたは途轍もなく大胆な考えごとをしているはずだ」
 どうしてそんなことが分かるのだろう? 私は両目を大きく広げると、彼は呆れたような溜め息を吐き出しながら呟いた。
「『ヒト』の研究をしているんだ。それくらいは予想ができる」
 研究? 今彼は研究と言った。ということは彼は研究者なのかと問いかけてみると、そのようなものだと軽く頷いてきた。
「俺は『ヒト』の心理、身体、その中の細胞などを主に研究している。あんたは今、自身の身の回りに何が起こっているのかも理解できないくらいだった。ということはかなり深刻な問題に対して考えて悩んでいたということだ」
 その状況によっては少し相違もあるだろうが―― 彼はそう言ってから更に眉間に一つ皺を作った。
「何をしようとしている?」
 喉の奥に何かが詰まったような感覚に陥る。それくらいに彼の鋭い視線に耐えることができなかった私。それでも最初は何もしようとはしていないと伝えたが、彼には内容は知らずとも危険なことに足を踏み込もうとしているのを感じたらしい。
「正直に吐いた方がいい。言え……」
 とかなりどすの利いた声音で私を睨みつけてきた。 
 
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