この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
Eternal
第6章 Reunion-再会-
「お前の相手を襲ったロボットは数年前に一度故障したらしい」
 翌日、研究所に詰めていた俺のところに、彼女を襲った夜に駆けつけていた男が姿を現した。
「捜査を怠けているのか?」
 あの事件からどれほどの日にちが経っているのかという嫌味の言葉を投げつけると、男はまあまあといつもながらにのんびりした口調で俺の傍にあった丸椅子に腰かけた。
「完璧でも年老いると腰がねぇ。ああ、長生きなんてするもんじゃないよ」
 そう言いながら煙草の箱をポケットから取り出すが、俺がこの研究室は禁煙だと伝えると、
「あ、そうだったっけ?」
 なんて惚けながらそれを再び元のポケットの中にしまい込んでいた。もはや癖としか言いようがない。手に煙草を持っていなければいけないという使命感というか、何というか……。俺は呆れた溜め息を零した後に、一旦研究を止めて男と共に喫煙室へと向かった。
「一度故障をしてから数日間修理をしていたらしいんだが、その時に最終チェックが行われなかったらしい」
「最終チェックが行われなかった?」
 それはおかしいと俺が答えると、男は重く頷く。
「『H地区』に入ることができるロボットは厳しい審査を受けなければならない決まりだが、なぜだか行われなかったと言うんだ」
「それを修理したのは誰だ?」
「お前も知っている、あいつだよ」
「あいつ……」
 俺は煙草をふかしながら目の前の男が差し出してきた写真を見つめた。
「こいつか……」
 よく知っている顔だ。主に人工知能の研究をしていて過去にAIロボットにも差別意識を持たせることができた男だ。『E地区』で数十年前に完璧になったが、その相手の女がある『ヒト』の男と共に首都からこの島国から出たという。その時は『E地区』ではかなり話題になった件があったそうだ。その時にこの男も既に完璧になっていて相手の女と共に暮らしていたのだが、あの件の後に行方不明となり、その数日後には死体となって発見されたと今日、初めて聞かされた。
「あの時に些細な喧嘩をして彼女が家を飛び出したんだよな。遺体を見た瞬間に何であんなしょうもない喧嘩をしたんだろうって後悔をしたな」
 今はのんびり穏やかさを見せているが、当時のこの男の落ち込みようはかなり酷かったらしい。相手の女の携帯電話からその時の喧嘩について謝って仲直りをしたいという言葉が録音されていたという。
/172ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ