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Eternal
第6章 Reunion-再会-
 その時の喧嘩さえなければ、この男の相手の女が部屋を出ることもなく、殺されることもなかったのだ。
 その時までのこの男は俺と同じように研究所に所属していたのだが、この件をきっかけに警察機関に所属を変更したのだ。全ては自分の相手の女を殺した犯人を捕まえる為に。
 この男は犯人の大体の目星を早くからつけていた。しかしその男はなかなか尻尾を見せず、捜査は難航して今に至る。
「いや、数十年もかかるって、なぁ……」
 過去のこの島国の警察機関は世界中で高く評価されてきた。しかし犯罪を犯す側も巧妙な手口で行動するようになり、最終的にはいたちごっこのような繰り返しが続いていた。これはまだ同じ『ヒト』であった為に推理もしやすく事件の解決率が下がることはなかったのだが、俺たちのような『E地区』のものや『A地区』のロボットなどが出現してからは、事件の内容もかなりエスカレートしていると男は呟いた。
「お前も数日間、相手の女といて思わなかったか? 『ヒト』とは何て複雑な考え方をする生き物なんだろうってな」
「ああ、まあ、確かに」
 昨日は彼女が愚かだとも思った。わざわざ自身を犠牲にしてまで親しい友人の仇を討ちたいなど、何とも馬鹿げたことをすると呆れた。と同時に彼女の身を真っ先に心配する自分がこの身体のどこかに存在していたことにも驚いたのだ。それは本当に微かながらだったが存在した。
「でもまあ、それが『ヒト』の中にある”人情”ってものなんだよなぁ」
「人情? ああ、人間の自然な心の動きや人間のありのままの情感。人としての情けとか他人への思いやりか」
 俺の言葉を聞いて男はあの時の夜と同じく苦みのある笑みを浮かべる。
「早くその癖を直せよ」
 男はそう言ってから俺の肩を叩くと、先ほどの内容に会話を変更した。
「あの事件の後でロボットの中身を調べたら、過去の第三次世界大戦の時に使用されたロボットのプログラミングがされていたんだ。しかしあの時はただ単に攻撃用だけに利用された『モノ』だったからセンサーで人体の熱を感じればすぐに殺す仕組みになっていたらしい。それがあのロボットは更に進化して、プログラムの中に仕込まれた標的に近づき、時間をかけて油断をさせてから殺すというプログラムに設定されていたんだ。それを開発したのは言われるまでもなくあの男だからな」
「あいつは今でも鬼才だと言われているじゃないか」
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