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Eternal
第6章 Reunion-再会-
 より『ヒト』に近づけさせるために行われていた感情のプログラミングの研究。それはまだ完成されていないが、あの男の研究開発で起用されたものはこの数年間で千を越えるとされている。つまり一日に一つは自身の研究を完成させていたということだ。しかし今、あの男の研究は滞りを見せている。研究室にも姿を現していない。研究室で浚った女たちを閉じ込めることは不可能だ。あの男には数十人の助手がいる。それもロボットではなく、『ヒト』の男たちだ。彼らは関門での入都検査の時に『ヒト』の女たちに疑問と不安をできるだけ回避させるための駒だ。大学には行かずとも、自分たちが得意とする分野の研究室に所属でき、大学で学ぶよりも更に奥深く高度な技術力を得られるため、『ヒト』の男たちからの不満はほぼない。そして彼らの住む場所は首都の『U1』と呼ばれる地下一階にあり、その場所は設備も充実していて自由な暮らしも保証されている。『ヒト』の女たちが入都してから彼らの姿を見ないのもそうして互いに隔離されているからである。しかし、充実しているからこその問題があるのも確かで、『ヒト』の男たちの数人が毎年、ちょっとしたスリルを求めて『U1』から地上へ探検家気分で出て来る。そこでたまたま『ヒト』の女と出会って…… ということがあるのだ。
 『ヒト』の女たちが研究室に閉じ込められていて助手も加担しているのならば、あの男は必ず毎日姿を現すはずだ。それがないということは、助手は加担しておらず、あの研究室に女たちはいない。
「数人がこの事件に関与していると思ったが、どうやら単独犯みたいだ」
「ああ、俺も今そう考えていた」
「ところでお前の相手、捜査に協力してくれるって?」
 男のその言葉を聞いた俺は煙草を深く吸ってから肺に取り入れた煙を勢いよく吐き出した。煙は途中まで空中を漂うとしていたが、灰皿の両脇にあるスマートながらにして強力な吸引力を持つ換気装置によって吸い込まれていく。それを見つめながら俺は小さく呟く。
「手を繋ぐとか、どうすればいいんだろうな」
 二人しかいない喫煙室。その呟きを放ったそこは煙草の匂いが充満するとても静かな場所だった。
 俺は今の気持ちを正直に真面目に言ったつもりだ。しかしおとこにとってはかなりツボにはまったらしい。喫煙室は男の大爆笑で包まれたが、笑われた方の俺にとっては面白くない。
「何が可笑しい?」
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