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Eternal
第6章 Reunion-再会-
 その間にコンピュータシステムが私の背中に向かって返事の言葉を投げかけていた。
「カシコマリマシタ。サンジュウビョウゴニセキュリティーシステムサドウ。イッテラッシャイマセ」
 外は雪が降りそうな寒さ。その中を私は颯爽と歩いて行く。買い物の前にある所へ行こうと決めていた。そこで私の大切な友人がまだ意識を戻していないままで留まっている。とはいっても、まだあの事件から一日しか経っていないのだ。私の友人は心の強い『ヒト』だ。だから近いうちに目覚める。そう信じながらももしかしたらという不安もあるし、三日後のCarnivalに向けて私の中に強さを与えてもらおうと思って会いに行こうと決めたのだ。
 あの主催者は必ずあの場所へやって来る。私がその主催者の言う”彼女”と姿形が似ているのならば、私の姿を見た瞬間に真っ先に狙うはずだ。
「あ、でも、彼を誘わない方が良かったのかしら?」
 主催者が私を狙おうとするのは恐らく私が一人になった時。ずっと彼が隣にいたら、主催者はきっとその日に私を浚うのを諦めるだろう。
 流石に大晦日と呼ばれるだけのことはある。私が歩く周りは賑わいを放っている。ただ、この首都の実態を知ってからは、この賑わいがこの首都の作為であることも丸分かりだ。私の横で母親と父親にじゃれる子ども。これもロボットだ。私はチラリとその方向を見てすぐに察する。そして反対の横をイチャイチャしながら歩くカップル。これもまたロボット。店の前で店への呼び込みをしているのもロボット。私が歩くこの場所は、まるで映画のワンシーンの撮影のようだ。もうどこを見たらロボットなのか理解できるから、私と同じ『ヒト』や『E地区』の男性の姿を見ればすぐに分かる。だから分かったのだ。
 私の足が自然とある方向へと動く。視線も歩く方向少し先を見つめたまま。でも雑踏の中を歩くのはかなり大変だ。いくらロボットでもプログラミングされているのは一応『ヒト』の自然な動き。私の歩く先を邪魔してきて、とうとう見失ってしまった。
 懐かしい空気を纏っていた。そして過去の記憶が鮮やかに蘇る。
 今あの言葉を言われたら、手を差し出されたら私は自分の手をそこに委ねるのだろうか? 私が思っていたどこか遠くとは首都だったのか? 
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