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Eternal
第6章 Reunion-再会-
 なぜならここに存在しているロボットは年末というアトラクションの小道具にすぎないのだから。
 俺の視界に彼女の姿が映った。一昨日や昨日のこともあって疲れているはず。だから家の中で大人しくしていると思いきや、アトラクションの中で一方をぼんやりと見つめている。俺は彼女の視線の先に目を向けた瞬間に詰まったような一声を上げた。
「っあ……」
 俺が完璧になったら迎えに来ると言っていた男も彼女の方を見つめていた。それも懐かしそうに、その中に悲しみも含めているような笑みを浮かべている。恐らく彼女の場所からその男の姿は見えないだろう。男は上手く彼女の死角で立っていた。しかし俺の方からはしっかりと見えていた。男は俺にも気づいたようで、視線をこちら側へと向けてきた。
 この島国を出たと言っていた。それなのになぜここにいる? それもこの首都に――
 今のリアルがどうしても信じられなくて、夢でも見ているのではないかと思うほどだ。しかしこれはれっきとした事実。その証拠に、遠くに見える男は最後に姿を確認した当時よりも老けていて、漆黒だった髪色の中には白さが目立っていた。『ヒト』は年老いると背が縮むといわれているが、長身だったその男も何となくだがそうなったような気がする。
 昔は大きい男だと思っていたが、今では遠くから見ても俺の方が背高いような気がしてならない。
「……?」
 俺は黙ったまま男の口元を見る。時折彼女の姿を確認しながら――。男の口元が揺れているのだ。ここからは流石に男の言葉など聞こえない。というよりもあちらは声も出さずに口パクをしている。つまり声には出せないから口の動きで理解しろということだろう。視力はいい方だが流石にここからあちらまでは遠い。俺は必死に目を凝らして男の口元を見つめ続けた。
「ぐ…… む…… す……」
 唇が窄んだり開いたりの繰り返し。まだゆっくりと動かしてくれているから読み取りやすい。最後まで口の動きを読み取った俺に男が微笑んだ。
 偶然にもあの娘(こ)がお前の相手になるとは思わなかった。娘を頼んだよ――
 彼女があの男の娘――?
 俺は驚きながら彼女に一度視線を向けた後、すぐに先ほどの男の方へとそれを変えたが、もう既にそこにはその姿はなかった――。
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