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Eternal
第6章 Reunion-再会-
 頭を掻きながら言葉を探している。視線は私から逸らして気持ちは少し上気しているのが分かった。ただ私が動きたがっているのを理解してくれたのだろう。背中に腕を回して上体を起こしてくれた。この時に私はなぜだか分かったのだ。
 ああ、この男性はもしかして――
「あなたは私の相手の方?」
 そう聞いてみると、男性はビクッと身体を揺らした。そして小さな動きで頷いてくれた。そしてその後には、
「このような目に遭わせてしまってすまなかった……」
 という言葉を頂いてしまった。
 なぜこの男性が謝らないといけないのだろうか? まだこの状態になる前の詳細を知らない私は首を傾げた。その後、その男性から詳しい説明を聞いた私はこの男性がなかなか私の前に現れなかった理由をようやく納得することができたのである。


 遠くから除夜の鐘が聞こえてきたような気がする。私と彼は年越しそばを食べながらテレビを見て和やかな時間を過ごした。会話が弾んでいたわけではない。テレビを見て笑い転げたわけでもない。ただ同じ空間にいながら会話が少なくても、安心できる場所にいると感じられるだけで幸せだった。
「Carnivalにはやっぱり行くのか?」
 このような会話になってもギスギスした感じもしない。私は彼の問いに頷いた。しかし彼はこの話を長引かせたくなかったのか、すぐにその内容のものは二人の間で途切れてしまった。
「明日はお休みなんですか?」
 私が聞いてみると彼は、ああ…… と小さな声音で答えてきた。それなら一緒にお参りにでも行かないかと誘ってみると、あっさりと了承を得た。
「去年の元旦は何をしていたんですか?」
 私は勉強漬けの毎日だったと苦笑いをすると、彼は少し考えるような素振りを起こした後に、今先ほどの私と同じく苦笑いを起こした。
「俺も研究所に籠っていたような気がする」
 記憶が曖昧なのは、毎日が研究の日々で休みが少なかったからだという。どのような研究をしているのか詳しく聞きたい私が尋ねてみると、彼は言える範囲内で答えてくれた。研究内容には極秘にしていることもあり、明かすことができない内容もあるのだと言う。
「でも主に『ヒト』に関しての研究何ですよね?」
 そう聞いてみると、彼はそれについては素直に答えてくれた。それはそうだ。『ヒト』の研究でも詳細まで話さなければ別に問題はないのだから。
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