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Eternal
第6章 Reunion-再会-
 そんな時、彼の方から私の手に自分のそれを触れさせてくる。そして指と指を絡ませてきて、私の鼓動が一気に高鳴りを起こした。
 これって……
 恋人繋ぎだ……
 小説とか漫画とかを読み漁っていた時に知った手の繋ぎ方にも色々な意味があるのを――
 驚いた私が彼の方を見ると、彼は繋いだ手の組み方はそのままに顔はテレビの方に向いていた。でも私は気がついた。
 彼の頬がほんのりと上気しているのを――
 照れているのかしら? でも今の感情がどういうものか、彼はまだ分かっていないのかもしれない。でも少しずつだけれど、彼の表情に少しずつ色がつけられてきているのを私は感じた。
 彼の指に絡む私の指に力を少し込めると、彼の指がほんの少しだけ揺れるような痙攣を起こした。その反応がとても楽しくて嬉しくて、私は何度も力を込めたり緩めたり。その間ずっと、彼の指はずっと私の指の動きに反応をしてくれていた。


 彼女と指を絡めながらのテレビ番組の内容が全く頭の中に入ってこない。自分でも緊張しているのだとこの時に感じた。手を繫ぐということがこんなにも勇気がいることだとは考えたこともなかった。なぜなら、手を繫ぐなんてことを今までしようとさえ思ったことがなかったからだ。
 いきなり”恋人繋ぎ”の形を取って良かったのだろうか? 確かあの男は最初は普通に手を重ねて繫ぐ仕草をしていた。恐らくそれが基本なのだろう。しかし俺はなぜか今、”恋人繋ぎ”の方をしたいと思っていた。なぜならその方が彼女と強く繋がっていられていると思ったから。まだ彼女と共に暮らし始めて二日も経っていないのに、一緒にいると安心して、でもそれだけでは今は物足りなくてどこかに触れていたくて――
 目端から彼女の顔を垣間見ると思った通り、驚いた表情を顔の中に浮かばせている。しかし俺はそれに気がつかない振りをしてテレビの方に視線を戻した。
 腹も空腹から解放されて今、満たされている。そして温かな部屋の中でもう一つの違う温かさを感じている俺はとても幸せだ。今でこんなに幸せだったら、この先の幸せは一体どのようなものなのだろうか? それはその先になってみないと分からないことだけれども、俺は思った。
 きっと悪くない、と――
 夜もだいぶ更けた。そしてこうした状態のままで長い時間を過ごしたのだ。気がつけば窓から仄かな光が差し込み始めていた。 
 
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