この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
Eternal
第6章 Reunion-再会-
 公にしたことで犯人がどう動くのか?
 結果、事態は悪化した。
 腹を激しく抉られていて大量出血による失血死。死体の全てが苦痛、恐怖による歪んだ表情のまま息絶えたようだ。
 上司とのやり取りを終えた男が現場に姿を現した時、その場所は異様な光景と化していた。
 今日から新しい年が始まるというのにめでたいという言葉など今、この場所にはない。
 鑑識が全く行われていない。それを生業とする鑑識官たちは遠巻きからぼんやりとその現場を見つめていた。見つめているその先には普段は全く感情を表に出さない仲間たちが相手の女の浚われた後の結末の意気消沈した姿があるだけだった。


 朝、目覚めた俺がソファに腰かけてテレビをつけると正月番組が放送されていた。芸能人と呼ばれるものたちはみな『ヒト』である。流れるだけの動画ならばロボットだけでも構わない。例えばニュース番組とか…… しかし娯楽のものとなると、やはりロボットは役立たずだ。ちょっとしたジョークで笑ったり、突っ込んだり、驚いたりという表情をすることができないからである。そしてロボットは機転が利かない。シナリオがあってもやはりアドリブの能力が必要とされる世界だ。その番組の途中で、画像の上部に速報のテロップが入った。その字幕を見た俺は思わずソファから立ち上がる。その間に今まで見ていた番組は途中で中止になり、ニュース速報の画面へと切り替わった。
 攫われた女たちが死体で発見されたという内容。攫われた人数と今日までに殺された人数が一致しているため、犯人は攫った全員を殺害したと思われるとアナウンサーが原稿を読み上げている。しかし殺されたという内容だけで、どのような殺し方をされたのかには全く触れていない。ということは、恐らくかなり残酷な状態であったのだろう。
 今まで一週間に一人を殺害してきた犯人が、今回は一気に攫った『ヒト』の女を全員殺したのだ。現場をカメラが映し出す。その場所は大きなブルーシートで囲って隠されていた。今までニュースに取り上げさせなかったこの事件を公にしたのだ。それが犯人を精神的に追い詰めて焦らせたに違いない。
 俺がニュースに釘付けになっていると、シャワーを浴びていた彼女が部屋に入って来た。咄嗟にチャンネルを変える。彼女はテレビに意識を向いていず、そのまま冷蔵庫の方に歩いて行った。それを見ながら俺はホッと安堵の吐息を漏らす。
/172ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ