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Eternal
第6章 Reunion-再会-

しかしテレビ画面の上方にはテロップがしつこく映し出されていた為、とうとうテレビの電源を落とした。
「何か面白い番組ありましたか?」
「いや、ないな」
ミネラルウォーターを手にこちらへ来た彼女が俺の隣りに座る。腰を掛ける動きで彼女の身体からフローラルの香りが俺の鼻腔に流れた。
「今日はお参りに行きます?」
少し遠いですけれど…… と後添えを残す彼女。それがどこにあるのか聞くと、この首都のアンダーグラウンドの方にあるのだと言う。
「昨夜寝る前に調べたんですけれど、もうかなり昔に建築された神宮があるらしいんです。私が幼い頃から育った場所にも色々な神宮があったんですけれど、今日行きたい神宮は広大な土地、緑に包まれた場所なんですって。今どきそのような場所なんてめったにないと思いません? 数十年前まではそこが正月のお参りスポットらしかったんですけれど、今はその時代に育ったお年寄り以外は参拝に来ないんだそうです」
その時代を生きた年寄りも数少なくなっている。何せ、数十年前に高齢者の死亡数がいきなり多発したからだ。それはただの自然死ではない。この島国の権力者による極秘計画の中の一つだった。
俺がそれを知ったのは―― いや、思い出したのは昨日、街中であの男に会ったからだろう。ああ、どうしてこのような時にあの男のことを思い出したのか。俺は思い切り頭を振り、過去の記憶を降り落とそうとする。それを見ていた彼女が俺に自分の飲んでいたミネラルウォーターを差し出してきた。
「二日酔いなんじゃありません?」
そういえば―― と俺は昨夜の記憶を辿る。確か年越しそばを食べた後に彼女が俺に酒を差し出してきたのだ。まあ、俺はリハビリが終わった後にこの世に誕生した祝いとして酒を飲ませてもらっていたし、それに俺を造り出した細胞は全て成人男性のものである。この世に誕生した時には既に二十歳を超えているようなものであった。
「ビールにワイン、ああ、日本酒も飲んだっけな」
「でも、あれだけ飲んで酔わないなんてすごいですね」
私はまだ飲んだことがないから、お酒に強いかどうか分からないですけれど…… と付け足しの言葉を放ちながら、俺がそれぞれの酒を何杯飲んだかを伝えてきた。その数字を聞いた俺はげんなりとしながらソファの背もたれにぐったりと凭(もた)れる。
「そんなに飲んでいたのか?」
「何か面白い番組ありましたか?」
「いや、ないな」
ミネラルウォーターを手にこちらへ来た彼女が俺の隣りに座る。腰を掛ける動きで彼女の身体からフローラルの香りが俺の鼻腔に流れた。
「今日はお参りに行きます?」
少し遠いですけれど…… と後添えを残す彼女。それがどこにあるのか聞くと、この首都のアンダーグラウンドの方にあるのだと言う。
「昨夜寝る前に調べたんですけれど、もうかなり昔に建築された神宮があるらしいんです。私が幼い頃から育った場所にも色々な神宮があったんですけれど、今日行きたい神宮は広大な土地、緑に包まれた場所なんですって。今どきそのような場所なんてめったにないと思いません? 数十年前まではそこが正月のお参りスポットらしかったんですけれど、今はその時代に育ったお年寄り以外は参拝に来ないんだそうです」
その時代を生きた年寄りも数少なくなっている。何せ、数十年前に高齢者の死亡数がいきなり多発したからだ。それはただの自然死ではない。この島国の権力者による極秘計画の中の一つだった。
俺がそれを知ったのは―― いや、思い出したのは昨日、街中であの男に会ったからだろう。ああ、どうしてこのような時にあの男のことを思い出したのか。俺は思い切り頭を振り、過去の記憶を降り落とそうとする。それを見ていた彼女が俺に自分の飲んでいたミネラルウォーターを差し出してきた。
「二日酔いなんじゃありません?」
そういえば―― と俺は昨夜の記憶を辿る。確か年越しそばを食べた後に彼女が俺に酒を差し出してきたのだ。まあ、俺はリハビリが終わった後にこの世に誕生した祝いとして酒を飲ませてもらっていたし、それに俺を造り出した細胞は全て成人男性のものである。この世に誕生した時には既に二十歳を超えているようなものであった。
「ビールにワイン、ああ、日本酒も飲んだっけな」
「でも、あれだけ飲んで酔わないなんてすごいですね」
私はまだ飲んだことがないから、お酒に強いかどうか分からないですけれど…… と付け足しの言葉を放ちながら、俺がそれぞれの酒を何杯飲んだかを伝えてきた。その数字を聞いた俺はげんなりとしながらソファの背もたれにぐったりと凭(もた)れる。
「そんなに飲んでいたのか?」

