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Eternal
第6章 Reunion-再会-
「まるでお水を飲んでいるみたいでしたよ」
 彼女は笑いながら俺が持つミネラルウォーターを指差した後、何を思い出したか、いきなり俺の手にあるミネラルウォーターを奪おうとした。俺は昨夜の酒のせいで喉が異様に乾いていた。それに身体が水分を欲しているのだ。だから今すぐにでも喉を潤したいというのに、彼女はなぜこのような意地悪をするのだろうと不思議に思いながら、ミネラルウォーターの入っているペットボトルを背後に回して隠す。
「俺にくれたんだろ?」
 そう問うと、彼女は顔を真っ赤にしながらあたふたとした動きを起こす。
「あ、新しいミネラルウォーターを持ってきますから、それは私に返して下さい」
「何で……?」
「な、何でって…… 察して下さいよ!」
 何を察すればいいのか全く理解できない。俺は背後に隠していたミネラルウォーターの飲み口を急いで自分の唇に触れさせた。それくらい俺は喉がからからだったのだ。それを見た彼女の顔は更に赤みを起こして、
「ああぁぁ……」
 と、何とも情けない軟弱な叫び声を上げる。それを横目で見つめながら、俺はミネラルウォーターをゴクゴクと全て飲み干してしまう。そして空になったペットボトルをテーブルの上に置く。
 喉は潤ってとても満足だ。しかしどうしてこの水を飲んではいけなかったのだろうか? 彼女はなぜこれを奪おうとしたのか? 俺はボッボッと音がしそうなほどに顔面を熱させながら口をパクパクとさせている彼女に向かって首を傾げて見せた。すると彼女は何かに気づいたかのように、ううぅと唸った。
「どうしたんだ?」
「いえ、さっきのは私が悪かったんです。あなたは知らないんですもの」
「何が知らないんだ? それはこのミネラルウォーターに関することなのか?」
「そうです……」
 説明してもらわなければ本当に分からない。俺が更に首を傾げると、それを見た彼女がコホンと一つ咳払いを起こしながら俺の方に真っ直ぐと顔を向けてきた。
「あの、ですね……」
「ああ、何だ?」
 彼女は何か言葉にしようとするが、なかなかその言葉を出せずに再び小さな唸り声を上げた。そうやって困っている彼女が面白くて可愛くて……
 可愛い――?
 俺は今、彼女が可愛いと思ったのか?
 今までは彼女といると安心する、守ってやりたいとかそういう精神的なものや義務的な感情が多かった。しかし、この感情は初めての経験だ。
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