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Eternal
第6章 Reunion-再会-
 だから彼女の口から次の言葉が放たれた時、俺の心臓はなぜだか押し潰されそうになる。
「さっきから言っているけれど、私があなたの相手だからってあの事件のせいで私がこんなになったから傍にいないといけないとか義務だけでいて欲しくないのよ! だから私は早く義手と義足をつけて一人で暮らしていけるようにするのっ!」
 両手足を失くした彼女は全身を激しく揺らしながら怒鳴り散らす。この先の自分がどうなるのかという大きな不安を小さな身体の中にある胸に抱きながら――。
「あ、危ねっ!」
 彼女の身体は両手足を失くした為にアンバランスだ。激しく揺らしたことでベッドから落ちそうになる。その身体を俺は咄嗟に両手を伸ばして抱きとめると、彼女の身体が小刻みな震えを起こし始め、それが泣いているからなのだと気付いたのは抱きとめた俺の胸の辺りから小さな嗚咽が聞こえ始めたからだ。
「別に、義務とかそんな理由で責任を取るって言っているわけじゃないから」
「でも、責任を取るって大体そんな意味が含まれているじゃない!」
「今は理由は言えないけれど他にも色々とあるんだよ。とにかく、一度一緒に暮らしてみようって」
「いつかあなたは、私との暮らしが嫌になるわよ」
 だって、何もできないこんな身体じゃ――
「両手足がなくったって何かはできるさ」
「例えば、何よ?」
 彼女が俺のシャツの胸辺りで鼻をかんだような音が聞こえた。それを聞いて、意外と雑な性格だなとも知る。まあ、自分もそんなに神経質な男じゃないしと思いながら笑ってしまう。
「お前は両手足がない代わりに、よく動く口があるじゃないか。良かったな、そこだけは切り落とされなくてさ」
 クツクツと笑いながら嫌味を言う俺に腹を立てたのか、彼女は先ほどよりも大きな音を立てて鼻をかんでいた。


「絶対に俺から離れるなよ?」
「わ、分かっていますけど、離れないと犯人が現れないんじゃ……」
「何、攫われたいのか?」
「違いますよっ!」
 私の返答で彼の機嫌が悪くなっていくのが手に取るように分かってしまう。
 大学構内はとても賑やかだ。周りを見ると仮装したひとたちが行き交うひとびとに派手なビラを配っていた。それは食べ物のものだったり、劇だったり占いだったりと様々だ。
「じゃあ、行くぞ」
「は、はいっ!」
 私と彼は手を強く握りしめながら大学の構内へと足を踏み込ませて行った。
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