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Eternal
第7章 Carnival-祭り-
「待つしかないのか…… しかし……」
 嫌な予感がする。俺の周りには顔を隠したものたちが多い。だから顔の確認ができない。この中にもしかするとあいつが紛れ込んでいるかもしれないのだ。ここに俺たちがいることに気づいていたとしたら、そして今、俺たちが離れ離れになったところを見ていたとしたら、あいつは必ず彼女を追いかけて行っているだろう。俺は人差し指を耳に当てた。
「おい、俺だ」
 何かあったか? とあの男から声がかかる。
「彼女を見失った。大学構内の自動販売機に向かったと思う」
「おい、ここに自動販売機がどれだけあるのか知っているのか? それに彼女にはお前がついていると知って、監視はかなり薄くしてあったんだぞ」
 友達同士で来ているミスコンに参加する予定だった女たちにはかなりの監視の人数を費やしており、ミスコンに参加しない『ヒト』の女もいるから、監視はそちらにも向かっているという。従ってそいつの知り合いが『ヒト』の女の相手であれば、そちらに任せているということだ。
 何て面倒なことを―― そいつは俺の言葉を聞いて慌てた声音を出した。
「どれだけあるのかは知らないが、恐らく本当は必要がないんじゃないかって思うほどの場所にも設置されているのは理解できるさ」
 周りを見ると、俺からして何とも無駄な場所にあるんだとばかりに設置されている自動販売機の数を確認する。台数は一台ずつ。しかし、それがこの広い大学内に散らばっていると思うと探すだけでもかなりの時間を要するだろう。
「とにかく、俺のいる場所から近い自動販売機から当たってくれ。それと水が売られている自動販売機を中心にな」
「水のペットボトルなんて、全ての自動販売機に入っているだろっ! 何でもっと珍しい飲み物にしなかったんだよっ!」
 火傷したんだよっ! なんて言えるわけもなく、俺は後は頼むということだけを伝えてすぐに受信を絶つ。切れる瞬間にあいつの怒鳴り声が聞こえたような気がするが、それは気にしないとするとして、俺は再び周りに鋭い視線を注いだ。


「もう、どうしてこんな時に限って水が売り切ればかりなの?」
 最初は近くの自動販売機を目指した私。しかし普段の大学内とは異なっていて、恐らく前日までには満タンに補充していたはずなのだろうが、自動販売機の水はもちろんのこと、他の飲料もほぼ売り切れのランプがテラテラと光っている。
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