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Eternal
第1章 :Lost
働く女性の大半が「主婦になりたい」と答えていた。それほどに、過去には殆どの女性がなって当然だと考えていたその職業が、現在ではなるのはそう簡単なことではないと考えられているのである。
 少子化が加速を始めたのが2000年も無事に迎えてから少しの年月を重ねた頃であった。女性の社会進出が顕著になり始めた頃からそれは島国での大きな悩みとなった。
 共働きの家庭が増えたと同時に、夫婦の間には営みの時間も短縮されて子どもが生まれる確率も減少した。かつては一家庭に二人か三人はいた子どもが、今や多くて二人か一人。一家庭に子どもがいないのは当然だというような社会になっていた。 この少子化が進んだのには、この島国内でのある原因があった。この島国での養育費は世界の国々と比べてみてもかなり高額なのである。従って年収の低い夫婦にとってその出費はかなりの痛手であった。
 大学に行ってもっと勉学に励みたいと望む子どもも多く存在した。しかし学費面がハンデとなり、結局は断念する者も多々いた。それでは奨学金を利用すればいいのではないかと思われるだろうが、就職氷河期でもあったその時代に、大学を卒業した後の返金が困難になる場合もあり、奨学金貧乏になる若者も多くいた。つまりは大学を卒業しても定職に就けるかどうかの不安定な社会であったのだ。その原因はバブル崩壊後の経済危機による不安定。会社による雇用者の減数による定職者の減少。定職に就かない者たちは契約社員かアルバイト。あるいは両親の脛を齧って生きるニートが劇的に増加した。そのような者たちの中には国民年金を納めない者も少なからず存在していた。その上に医療も充実していたこの国では、高齢化社会によって、高齢者の暮らしを支える年金の工面が上手くいかないこともあり、国の予算さえも危機的状況にあった。
 そのような中で、ある年にこの島国でオリンピックが開催されることになった。それの施設などの経費についても散々揉めた。何故ならば、コンパクトなオリンピックという目標を掲げていて、もちろん予算もかなりコンパクトにまとめて提示ていたにも関わらず、その後にコンパクトであったはずの金額は膨大なものになったからである。それでも微妙な削減によってオリンピックも無事に済んだのだが、その後もこの国の国家予算には厳しいものがあった。いや、厳しいものではない。
 崖っぷちであった――。 
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