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Eternal
第1章 :Lost
 オリンピックのことは済んだ事である。今更どうでもいい。しかし気になるのはそれが行われた数年前に起こった、自然災害によって被害を受けた自然災害のことであった。
 最初に伝えたコンピュータによる情報化社会。その中にはインターネット社会という言葉も含まれる。それらは目にも止まらぬ速さで進化を遂げてきた。
 今やコンピュータやインターネットなしでの生活はあり得ないと思われるほどに、私たち『ヒト』はそれらに根深く依存をしている。
 ただ私たち『ヒト』は知らなかった。
 目まぐるしく進化を遂げている社会の中で、私たちのすぐ傍に『ヒト』ではない『モノ』が混ざっていることに――。

 その『モノ』の実験が本格的に研究され始めたのは、この島国で自然災害が相次いで起こったことにあった。それによって今までこの島国の動力源を担ってきた原子力発電所の倒壊によって、放射性物質により、ある地域がそれによって汚染された。その時に倒壊した発電所内の放射性物質は高濃度であり、『ヒト』が直接立ち入って調査することなど以ての外という状態であった。その時に島国の権力者たちは、高濃度の放射性物質にも耐えられるロボットをその場所へ投入することを決定したのだ。しかし、いくら性能が良いロボットを作ったとしても、危険区域内では全く役に立たなかった。
 倒壊した発電所の内部には多くの瓦礫という名の障害があり、ある一定の場所まで進めたとしても、その先からの進行が不可能になるという事態が幾度も続いたのだ。そこでロボットを長年研究、作り続けていた者たちはある日、自分たちの姿を鏡に映した時に閃いた。
『ヒト』のようなロボットを完成させたら、と。
 『ヒト』のように二足歩行で動くロボットはこの時には既に研究、開発されていたが、彼らはそれ以上のロボットの姿、動きを脳裏に映し出していた。
 オリンピックの開催が近づいていた年である。島国の権力者たちはもちろん焦りに焦っていた。
 人間の身体を蝕む目に見えない有害物質がこの小さな島国全体を覆っているのではないか。そして自分たちの健康な身体を害するのではないか。この島国でオリンピックを開催して果たして妥当なのかという意見が世界中から飛び交っていたからだ。この自然災害は世界中のニュースにも取り上げられるほどの二次災害を起こしていた。

 
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