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Eternal
第2章 :Discomfort-違和感-
「そうよ! ここの新聞はいつも島国の説明とは反対のことばかりかいているんだから!」
 友人の言葉に耳を貸していた私は、この記事を書いている者には何か確信めいた証拠を持っているのではないかと感じた。しかしそれを言葉にして返せば、ここで必ず口論となってしまうだろうと思って唇を強く噛む。この信用ならない記事はこの島国に何か反発しているような節がある。ただ気になるのは、その理由について書かれていないこと。それがまるで私たち読み手に何か考えさせるように仕向けているのではないかとも思われた。
 海外の店も今やこの島国にはない。
 私はまだ講義があるからと伝えてきた友人と別れた後、大学からの帰宅途中に歩く道脇に並び建つ店の看板を見つめた。流石に横文字の看板はほぼないに等しい。ただ、この首都に住む者たちは数か国語を理解することができる為、たまに隠れるように外に出されている看板がちらほらと垣間見れた。ショッピングモールに足を踏み入れても海外から輸入されたものなどはない。「鎖国」という行動を完全に行った為に、過去に大半輸入していたものは全てこの島国内で生産されている。しかし、この島国内で生産しにくいものを輸入していたのに、「鎖国」をしてすぐにそれを生産させることは可能なのだろうかと、私は空に向かって大きく息を吐き出した。
 まるで「鎖国」を始めるかなり以前から計画をしていたようだ――
 この首都に入る前から抱いていた違和感もなぜか思い出して頭を抱えながら歩いていると、背後から私の肩を叩く者がいた。振り返った私が口元を緩める。
「講義は終わったの?」
「ああ、今終わってさ。待ち合わせの場所まで走っている時に君の後姿を見つけたんだ」
 私とこの男の大学からこの場所まではかなりの距離がある。それなのに男は息を一つも荒げていない。この男は私の友人以上恋人未満の存在だ。知り合ったのは先ほどまで共にいた友人から紹介された時であった。最初は警戒をした。なぜならこの男は私の大学入試の時にくす玉を割り、歓迎の言葉を放った者だったからだ。しかし会話を交わしている間に友人としてこの男とは波長が合うような感じがした。その後は暫く友人として接していたのだが、ある日の帰宅途中にこの男から突然告白をされた。
 好き、なのかな――?
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