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Eternal
第1章 :Lost
 当時のこの島国の総理大臣は世界中にメッセージを発信した。
 この国は安全であり、人間に模したロボットをようやく完成させた。それを倒壊した発電所の内部に投入するという内容であった。
 ロボットがどうやってあの内部の大量の汚染物質を除去したのかは未だに謎だ。しかし、オリンピックが開催される前に、その発電所の内部の放射性物質は忽然と姿を消していた。そしてその数年後にオリンピックは開催されたのだ。
 大規模な催しは海外の者たちを魅了し、成功を収めたかに思われた。しかし、その催しにつぎ込まれた費用は目に見えない借金として島国民たちを苦しめた。
 島国の借金はもちろん国民の税金から支払われるのだ。島国の権力者たちは私利私欲の為に島国民に政財危機だと伝えて課税を増した。国の借金という名の大きな負担は増税となって島国民に投げ落とされ、彼らの不満は内側から外側へと顕著に表れ始めた。この時には既に島国内の出生率は停滞しており、この数年後にはそれが0になるだろうと予想され、それは見事に当たりを得た。島国内の各地では次々と暴動が起こり、島国内は大いに乱れた。そしてその乱れの収拾がつかない間に第3次世界大戦の勃発。それは以前から力を増強してきていたテロの攻撃から始まり、核による実験を繰り返してきたある国々が世界の乱れの中で進撃を始めた。テロを撲滅させ、核活動を阻止するべく立ち上がった同盟国の怒りの戦にこの小さな島国も当然のことながら巻き込まれたのである。
 これ以上島国民の数を減らすわけにはいかない。そして増税も既に上げるところまで行った。これ以上の負担はこの島国の存続の危機に関わると考えた当時のこの国のまだ未熟な権力者たちは、数十年前から極秘に進めていたある実験が成功したことによって、それを戦火の中に送り込んだ。この後、テロを起こしたリーダーたちは知らぬ間に抹殺され、核を使用しようとしたある国々の権力者たちもまた命を落として、それは世界中の民たちに謎を残した。
 長期戦になるであろうと予測されていた第3次世界大戦は呆気なく幕を下ろし、再び平和が訪れるかと思われたが、数か月後に世界中が恐れたのはこの島国のある技術であった。
 同盟国の一員でもあったこの島国に、仲間であったはずの同盟国の国々は今度、この島国に攻撃をかけようとした。
 つまりは同盟国内の裏切りである。
 
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