この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
Eternal
第3章 :confusion-混乱-

車内がちょうどいい温もりを俺の全身に与えてきた時、男は外での話の続きを始めた。
「お前は子宮は知っているだろう?」
「胎児を誕生まで育てる場所、哺乳類の雌の生殖器の一つ」
俺の言葉を聞いた男は苦みのある笑みを起こした。
「全く、まるで教科書の中身を読み聞かせてもらっているみたいだ」
と言いながら。しかしそう言われても困る。なぜなら俺は男でその生殖器を生憎持ち合わせていないから、他にどのような表現をすればいいのか分からない。だから過去に習って記憶している言葉をそのまま引用したに過ぎない。俺は男だからもちろん、女の生殖器に関してはかなりの興味がある。しかし保健体育の授業は意外にも上っ面だけの知識しか与えてくれず、詳しくは理解していなかった。
男にとって女の身体はとても複雑に思える。自然の中での現象とでもいうのだろうか? あの華奢な身体の中で一つの命を育んでいくのだ。それも一年も近い月日をかけてでも一つの命を生み落そうとする女の底力や強さには感服する。それが今ではどうだろう? 妊娠をしたらすぐに受精卵を体内から掻き出して人工子宮へと移すのだから、女の子どもを産む意識というのも過去とは違ってかなり異なっている。そのようなことを考えている俺の耳に男のとんでもない言葉が漂ってきた。
「今は男も体内で胎児を育むことができる研究がされているけれどなぁ」
「…… やめてくれ、考えただけでも恐ろしい」
「ははっ! しかしこの研究はなかなか進まんな。何せ、男女の身体の作りが全く違う上に一歩間違えれば危険が伴う。誰だって命は惜しいから検体になろうとする勇気ある男もいないらしい」
男はそう言うと、運転席の窓を半開きにして再びコートから煙草の箱を取り出す。そしてそれを上下に軽く振って一本を飛び出させると、俺の方へとそれを向けた。
俺はそれを有難く頂戴した。今、この時代の煙草は電子であり、紙煙草はかなり物珍しくて貴重で高価なものだ。俺はそれを口に咥えると、それと同時に渡された電子ライターで先に火を灯した。
「なぜ自然に男女が交わり、その母体から生まれた『ヒト』が国宝級なのか、それは受精卵ができて誕生するまでの経緯に理由がある」
男はそう言うと、静かに語り始めた――。
「お前は子宮は知っているだろう?」
「胎児を誕生まで育てる場所、哺乳類の雌の生殖器の一つ」
俺の言葉を聞いた男は苦みのある笑みを起こした。
「全く、まるで教科書の中身を読み聞かせてもらっているみたいだ」
と言いながら。しかしそう言われても困る。なぜなら俺は男でその生殖器を生憎持ち合わせていないから、他にどのような表現をすればいいのか分からない。だから過去に習って記憶している言葉をそのまま引用したに過ぎない。俺は男だからもちろん、女の生殖器に関してはかなりの興味がある。しかし保健体育の授業は意外にも上っ面だけの知識しか与えてくれず、詳しくは理解していなかった。
男にとって女の身体はとても複雑に思える。自然の中での現象とでもいうのだろうか? あの華奢な身体の中で一つの命を育んでいくのだ。それも一年も近い月日をかけてでも一つの命を生み落そうとする女の底力や強さには感服する。それが今ではどうだろう? 妊娠をしたらすぐに受精卵を体内から掻き出して人工子宮へと移すのだから、女の子どもを産む意識というのも過去とは違ってかなり異なっている。そのようなことを考えている俺の耳に男のとんでもない言葉が漂ってきた。
「今は男も体内で胎児を育むことができる研究がされているけれどなぁ」
「…… やめてくれ、考えただけでも恐ろしい」
「ははっ! しかしこの研究はなかなか進まんな。何せ、男女の身体の作りが全く違う上に一歩間違えれば危険が伴う。誰だって命は惜しいから検体になろうとする勇気ある男もいないらしい」
男はそう言うと、運転席の窓を半開きにして再びコートから煙草の箱を取り出す。そしてそれを上下に軽く振って一本を飛び出させると、俺の方へとそれを向けた。
俺はそれを有難く頂戴した。今、この時代の煙草は電子であり、紙煙草はかなり物珍しくて貴重で高価なものだ。俺はそれを口に咥えると、それと同時に渡された電子ライターで先に火を灯した。
「なぜ自然に男女が交わり、その母体から生まれた『ヒト』が国宝級なのか、それは受精卵ができて誕生するまでの経緯に理由がある」
男はそう言うと、静かに語り始めた――。

