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Eternal
第3章 :confusion-混乱-
 男の持つ精子は弱い。なぜ男女の交わりであるセックスがあのようにして男女の生殖器が外気に触れないような結合をするのか。それは精子が空気に触れた数時間後に死滅することにあった。しかし女の頸管内や子宮内、卵管内へ射精された精子は数日間生き長らえることができる。しかし女の膣に射精された精子が子宮に到達した場合でも、白血球の攻撃にさらされ数多く死滅してしまう。また、ここから卵管への入口に辿り着いた精子は識別され、条件を満たした精子のみ卵管へ通過することが可能となる。まるで自然の軍隊や検査機関のような構造を女は身体の下腹部に持ち備えているのだ。男の話はなかなか興味深いものだと、俺は貴重な紙煙草をゆっくり灰に変えていく。
 一度に射精される精子の数は約一億から四億。その中でたった一つの精子が卵細胞の周りを包む透明帯を突き破って接合(受精)、受精卵となる。たまに二つの精子が同時に透明帯を突き破ることがあるが、それは希である。
 卵巣で卵細胞が作られ、排卵時期になると卵管を通って子宮へと運ばれる中で精子と受精をすると、受精した卵細胞は子宮内の壁に付着(着床)してその中で誕生まで過ごすのだ。
「まあ、一度で受精することもあればしないこともある。それはもう運命、縁とでも言うしかないな。それほどに自然交尾で命を作り出すのはとても高難度な技としか言いようがない」
 男から受精までの話を聞いた俺は、少し嫌味っぽくこの話の前の話題を蒸し返した。
「男でも子どもが生めるような研究をしているんだろ? あんたが検体になったらいいんじゃないのか?」
 男は俺が嫌味を言っても気を悪くさせる体を見せない。煙草を吸い終えると笑いながら車を発進させた。
 『H地区』の敷地内は女ばかりが暮らす場所とあって、とても清潔な雰囲気を醸し出している。
「まるで巨大な子宮内にいるみたいだ……」
「受精した卵細胞は子宮内に着床すると卵割を始める。そして細胞分化を行って個体へと変化するんだ」
 俺の呟きをよそに男は受精した卵細胞がその後どうなるかの説明を始めた。
 卵膜と呼ばれる三層の膜に包まれた胎児は一年近くの間、その中で成長をしていく。しかし子宮は胎児を育てる場所ではあるが胎盤は作らない為、胎児は自分が育つ為の環境を自身で作り上げていく。胎児は外界に出るまでの間に、自身で生きる力を備えようと努力しているのだ。
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