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Eternal
第3章 :confusion-混乱-
「この首都は『H地区』『A地区』『E地区』に分かれている」
「はい、知っています。昨夜の『モノ』は『A地区』でしたよね? つまりあの地区に暮らしているのは『モノ』っていうことでいいですか?」
「ああ……」
 私の理解力が早かったのに感心したのか、それとも長々と説明をしなくていいと思ったのか、彼は少しだけ力を抜いてソファーの背もたれに身体をゆっくりと預ける。
「昨夜あんたが見た『モノ』はこの島国で研究され続けているAI(artificial intelligence)だ。今では『ヒト』と触れ合うさせることによって自身で学習をしているから、首都の中であんたらに混じって生活をしている」
「へえ…… って、それじゃ、この首都にいる殆どがそれなんですか? 大学でお互いに紹介する時に聞くと、七、八割くらいが『A地区』出身ばかりでしたよ」
 『A地区』の”A”はAIの中の一文字だったのだ。と、同時に私は身震いを起こした。
「あの、今の総理大臣の女性も確か『A地区』出身でしたよね?」
「ああ、そうだ」
「ではこの島国はAIの『モノ』が支配しているってことですか?」
 今は冬で外は寒くても部屋の中はコンピュータシステムによって適温に保たれているはずなのに、私の額からは気持ちの悪い汗粒が浮き上がり、背筋からはゆっくりと悪寒が起こり始めていたのだが、
「あれは総理大臣の言葉を伝える為の影武者みたいなものだ。本当の総理大臣はちゃんといるが表には絶対に出て来ない」
 時の権力者は常に命を狙われているなんて囁かれるくらいだ。恐らく現総理大臣もそれを恐れて姿を現さないのだろう。私は彼の言葉にそう解釈をした。
「『H地区』はあんたみたいな『ヒト』が暮らす地区だから”Human”の”H”からとっている」
「ああ、それはさっきの『A地区』の名の由来を聞いたから理解できます。では『ヒト』であって『ヒト』でないようなあなたは『E地区』の出身だということですか?」
 早く色々な説明を聞きたいという欲求が私の中にあったのだろう。理解できたことを彼にさっさと伝えて先を進めようとする私に、
「呑み込みが早くて助かる」
 彼はそう言うと、ソファーから立ち上がり、私の隣りへと移動してきた。
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