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Eternal
第3章 :confusion-混乱-

彼の言葉の中には、私がその話の腰を折ったと非難するような雰囲気を漂わせている。
「すみませんでした。どうぞ話の続きをして下さい」
彼の視線で責められているような感覚を起こした私は、見つめていた個所から顔を背けた。ただ、これからの話はしっかりと聞けるようにと、慌てて括ったせいか少しだけ束ねている髪の毛から外れっこになっていて耳にかかっていた小さな束を片手でそれの後ろに掻き上げて。
研究者の話は彼も私の話を聞いて少し気になったようだが、それについては後でと釘を刺してくる。つまりは最後まで自分の話を聞けということだ。私はそれに頷いて口元を引き締めた。
「俺が『ヒト』であるのかないのか、それはあんたの理解度によるけれど……」
男は前置きにそう呟いた。
研究者の研究していた細胞は極秘に首都へと持ち込まれた。そこで亡き研究者と共にそれの開発を行っていた者たちによって、権力者たちが依頼していた研究が始まったという。
その細胞を使って『ヒト』の中にある臓物を作り出す。そして全身の中で必要なものも全てそれを使って作ることが可能となったのだ。つまり、彼の全身全てがその細胞を組み合わせて完成したということになる。
まずヒト型をした容器の中に臓物を『ヒト』の身体の中にあるそれと同じ位置に。そしてそれが少しずつ成長する過程を見届けていく。臓物で先に成長させるのは心臓だ。心臓が出来上がって鼓動を起こさなければ、他の臓物も成長も『ヒト』の身体の中のそれらと同じ働きをしない。
心臓が動き始めたと同時に研究者は再び作業に入る。それは脳の組み立てだ。頭蓋は、十五種二十二個の骨から構成されているが、それもまた亡き研究者が発見した細胞、たった其れ一つで作り上げることが可能なのだそうだ。それを容器の頭の場所に配置すると、心臓から少しずつ動脈や静脈、毛細などの血管が伸び始める。そしてそれらの中に血液を流し始めると筋肉が誕生する。それがどのような仕組みになっているのかは謎。研究者たちの間でしか知られない偉業であるらしい。恐らくヒト型の容器に注ぎ込まれる液体が作用しているのだろう。
心臓に異常がなく、脳も正常な働きを始めた時に顔面の組み立てに入る。眼球用の細胞、鼻骨、個々の臓物たちが自身の働きを認識し始める。
「すみませんでした。どうぞ話の続きをして下さい」
彼の視線で責められているような感覚を起こした私は、見つめていた個所から顔を背けた。ただ、これからの話はしっかりと聞けるようにと、慌てて括ったせいか少しだけ束ねている髪の毛から外れっこになっていて耳にかかっていた小さな束を片手でそれの後ろに掻き上げて。
研究者の話は彼も私の話を聞いて少し気になったようだが、それについては後でと釘を刺してくる。つまりは最後まで自分の話を聞けということだ。私はそれに頷いて口元を引き締めた。
「俺が『ヒト』であるのかないのか、それはあんたの理解度によるけれど……」
男は前置きにそう呟いた。
研究者の研究していた細胞は極秘に首都へと持ち込まれた。そこで亡き研究者と共にそれの開発を行っていた者たちによって、権力者たちが依頼していた研究が始まったという。
その細胞を使って『ヒト』の中にある臓物を作り出す。そして全身の中で必要なものも全てそれを使って作ることが可能となったのだ。つまり、彼の全身全てがその細胞を組み合わせて完成したということになる。
まずヒト型をした容器の中に臓物を『ヒト』の身体の中にあるそれと同じ位置に。そしてそれが少しずつ成長する過程を見届けていく。臓物で先に成長させるのは心臓だ。心臓が出来上がって鼓動を起こさなければ、他の臓物も成長も『ヒト』の身体の中のそれらと同じ働きをしない。
心臓が動き始めたと同時に研究者は再び作業に入る。それは脳の組み立てだ。頭蓋は、十五種二十二個の骨から構成されているが、それもまた亡き研究者が発見した細胞、たった其れ一つで作り上げることが可能なのだそうだ。それを容器の頭の場所に配置すると、心臓から少しずつ動脈や静脈、毛細などの血管が伸び始める。そしてそれらの中に血液を流し始めると筋肉が誕生する。それがどのような仕組みになっているのかは謎。研究者たちの間でしか知られない偉業であるらしい。恐らくヒト型の容器に注ぎ込まれる液体が作用しているのだろう。
心臓に異常がなく、脳も正常な働きを始めた時に顔面の組み立てに入る。眼球用の細胞、鼻骨、個々の臓物たちが自身の働きを認識し始める。

