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Eternal
第3章 :confusion-混乱-
 その研究者が彼らに伝えたというその言葉を聞いた時、なぜだかその研究者の複雑な気持ちが感じ取れたような気がした。しかし、彼の話が終わるまで黙ったままでいなければならない。私はただ耳を澄ませ続ける。
「それで、だ……」
「はい……」
 『ヒト』が命の誕生に手を加えることを彼はどう考えているのだろうか?
 細胞から作られた説明を聞いた後の彼の横顔が『ヒト』とは異なるような、手の届かない存在のような――
 まるで天から降り立った神の遣いのような――
 手を出してはいけない領域の創造物だ。だからこそそう感じてしまうのだろう。それは罪だと非難しなければならないのに、彼に見惚れてしまっている、彼の魅力に既に惹かれてしまっている私もまた罪びとなのだろうか?
 そのようなことをぼんやりと考えていると、彼の説明を聞くのがおざなりになってしまっていたようだ。
「『ヒト』の女は『E地区』の男に様々な感情を身につけさせる。その俺の相手はあんただ」
「そう……」
 彼の横顔にずっと見惚れ続けている私の耳に彼の説明がしっかりと流れ込まず、ふわふわした気持ちで軽く返事をする。まるで他人事のように。
「その感情を教える為に、まずは生活を共にする」
「そうなんですか……」
「二人の生活に慣れた頃から免疫や抗体を体内に取り込み、活性化させる為に男女の行為をして、最終的には優秀な『ヒト』の子を作る子作りの過程に入る」
「そうな…… えっ!?」
 男女の行為と子作りという言葉が耳に流れ込んだ瞬間に、私のふわふわした気持ちが一気に吹っ飛び、我に返る。
「い、今、男女の行為って言いました?」
 最初は口をパクパクとさせながら言葉が出ない上に、ようやく言葉が音となって外に出たと思えば裏返りを起こしていた。彼はそのような私を観察でもするように凝視してくる。そして彼の口から出た言葉は、
「それは、パフォーマンスなのか?」
 いえ、そこは笑って下さいよ。私は今かなり動揺はしているけれど、外面は滑稽極まりないんですから。それなのに至極真面目に聞いてくるものだから、私は彼の問いにどうやって対処すればいいのか分からなくなったが、どうしてどうして、最後の生々しい説明を聞いた私は、「最初」の相手が既に決められてしまっていることに納得がいかない上に、激しい混乱を起こしてしまって、 
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