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Eternal
第4章 :jealousy-嫉妬-

もしもの時の為の貯蓄のようなものだ。このロボットは『ヒト』の体液以外からは耐えることができ、この島国に何らかの事態が生じてもこの小さな国家の滅亡は免れるというわけだ。
『ヒト』の卵子もまた極秘の場所でもしもの時の為に冷凍保存されているという。それがどのようにして『ヒト』の女の体内から掻き出されたのかは謎だが。
俺が自身の精子を冷凍保存させない理由は、ロボットやコンピュータなどのシステムに頼ってまで未来に自分の子孫など残す気など全くないからだ。
細胞から誕生した俺は不安だった。なぜなら、いくら進化する者と言われていたとしても、自身が『ヒト』であってそうでない中途半端な位置に置かれているからだ。完璧になった男の中には『E地区』にずっと残り、この首都からも出ていない者も多い。それは『ヒト』の女にいきなりの不幸事などが起こったことにもよる。共に暮らす上で感情を身に着けて、最終的には身体を交わらせても、事故などによって命を落とす『ヒト』の女も少なくはなかった。それにこの首都は少しおかしくなってきているのではないかと俺は思う。
『ヒト』の女は希少で価値がある為、何者かに狙われることも多かった。ある日突然に姿を消したり、生殖器だけが取り除かれた状態で発見されたり。もちろんその時には既に息はない。しかし警察機関の極秘情報によると、どうやら生きている時に生殖器を取り除かれているようだとのこと。その理由は『ヒト』は死体となると体内の臓腑などの腐敗の進行が速くなる。つまり、新鮮なままの状態の生殖器が必要なのだ。しかし、生殖器だけを取り除いても卵子が作られなければ意味がないのに、『ヒト』の女のそれを何に必要とするのか謎だ。ただ、俺の相手となる彼女だけは何としても危険から守りたいと強く思う。
「これも、俺の中に芽生えた新しい感情か?」
窓の外側は朝を迎えている。彼女に初めて会ってから二日が経過していた。昨日は二度も頬を叩かれ、その理由を聞いても頑なに話してくれなかった上に、共に暮らす詳細も伝えられず、結局はこうして毎日の生活場所へ戻っていた。
「今日こそは共に暮らすことの承諾を……」
パンツをはき、前開きのシャツを羽織った俺は呟いた。
「ああ、そうか…… 相手に説明をした後に理解と納得をしてもらわなければいけなかったのを忘れていた」
『ヒト』の卵子もまた極秘の場所でもしもの時の為に冷凍保存されているという。それがどのようにして『ヒト』の女の体内から掻き出されたのかは謎だが。
俺が自身の精子を冷凍保存させない理由は、ロボットやコンピュータなどのシステムに頼ってまで未来に自分の子孫など残す気など全くないからだ。
細胞から誕生した俺は不安だった。なぜなら、いくら進化する者と言われていたとしても、自身が『ヒト』であってそうでない中途半端な位置に置かれているからだ。完璧になった男の中には『E地区』にずっと残り、この首都からも出ていない者も多い。それは『ヒト』の女にいきなりの不幸事などが起こったことにもよる。共に暮らす上で感情を身に着けて、最終的には身体を交わらせても、事故などによって命を落とす『ヒト』の女も少なくはなかった。それにこの首都は少しおかしくなってきているのではないかと俺は思う。
『ヒト』の女は希少で価値がある為、何者かに狙われることも多かった。ある日突然に姿を消したり、生殖器だけが取り除かれた状態で発見されたり。もちろんその時には既に息はない。しかし警察機関の極秘情報によると、どうやら生きている時に生殖器を取り除かれているようだとのこと。その理由は『ヒト』は死体となると体内の臓腑などの腐敗の進行が速くなる。つまり、新鮮なままの状態の生殖器が必要なのだ。しかし、生殖器だけを取り除いても卵子が作られなければ意味がないのに、『ヒト』の女のそれを何に必要とするのか謎だ。ただ、俺の相手となる彼女だけは何としても危険から守りたいと強く思う。
「これも、俺の中に芽生えた新しい感情か?」
窓の外側は朝を迎えている。彼女に初めて会ってから二日が経過していた。昨日は二度も頬を叩かれ、その理由を聞いても頑なに話してくれなかった上に、共に暮らす詳細も伝えられず、結局はこうして毎日の生活場所へ戻っていた。
「今日こそは共に暮らすことの承諾を……」
パンツをはき、前開きのシャツを羽織った俺は呟いた。
「ああ、そうか…… 相手に説明をした後に理解と納得をしてもらわなければいけなかったのを忘れていた」

