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Eternal
第4章 :jealousy-嫉妬-
 『ヒト』の女と初めて接触しする時のマニュアルの内容を思い出した俺は髪をくしゃりとさせながら大きな溜め息を吐き出した後、
「ベッドの上を片付けておいてくれ」
 と部屋の中で独り言のように呟くと、シャワーを浴びる為に寝室を出た。

 過去から変わらないシステムはこの島国に数多ある。幼い頃から始まる多くの習い事。できるだけいい学校に行って名高い大学に合格をして、有名企業に就職をする。それまでに親は子どもに多額の費用を費やし、子どもは遊ぶ暇もなく、毎日が時間との戦。しかしこの島国のシステムの中でとても不思議なことがある。大学に合格するまでは必死に勉学に励む子どもたち。その理由は大学の入試問題の難度が高いことにもあるし、少子化になっていた為に、大学側も少人数の子どもの中でも最も優秀な者を入学させたかった。過去から続いていたセンター試験というシステムもなくなり、違うシステムへと移行。子ども達が大学に入る門はより狭きものとなった。それが大学に入学した途端、学生たちにとってその場所は勉学どころかほぼ遊ぶ為の施設となる。毎日がバイト、親からの仕送りでの遊び。高校まで束縛された生活から一気に放り出されたような感覚。解放された子ども達は必要な単位をギリギリで取得する。必須単位をほぼ取得できるのは一、二年間だ。後の二年はほぼ自由が多い。そしてあれだけ入るのが困難だった大学を卒業するのはとても簡単。このシステムはこの島国にとって有益をもたらさないと、とうとう私が中学生くらいの時に改正された。この大学入試に関わることで、浪人生という言葉もあったが、今はない。一度の大学入試失敗の後の子ども達に再び入試を受けることは許されなかった。過去と違ってこの島国民には一人ずつナンバーがつけられている為に年齢詐称もすることができなくなった。しかし裏では、賄賂なるものでそれをして再び大学入試を受ける者がいるとのこと。上層社会での金による不正は今になってもなかなか姿を消すことはなかった。
「ねえ、来月にミスコンやるんだって」
「ミスコン?」
 一昨日と昨日の二日間の混乱した場から解放された私は色々と考えることもあって、大学に来てもずっとぼんやりとしていた。そのような中で友人がいきなり大学の先の行事のことを伝えてきた。
「ミスコンって、男女?」
「そうよ、ミスとミスターコンテスト」
「へえ……」
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