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Eternal
第4章 :jealousy-嫉妬-

物騒な言葉を聞いた私は絶句をした。
「『ヒト』の女性が急に姿を消すって…… そんなこと、この首都で何のニュースに取り上げられていないじゃないですか」
これは重大事件だ。なぜなら『ヒト』が行方不明になるってことだから。しかし彼の話によると、行方不明になるだけではない。何人かは死体として見つかるのだそうだ。
「じゃあ、殺人事件じゃないですか! どうしてこのようなことを首都の警察は見逃しているんですか?」
「見逃しているんじゃない。捜査はしているんだが犯人を捕まえることができない。情報によるとその理由の一つに犯人が複数だと挙げられている」
「犯人が複数?」
「それに見つかった死体の状態もかなり酷い。苦痛に満ちた表情を浮かべたまま殺されている」
それは首を絞められたか刺されたか? しかし、彼の次の言葉に私の顔は血の気が引いていくのを感じた。
「生きたまま、意識のあるまま麻酔も何もかけられていない状態で生殖器を取り除かれている」
今日も朝日が眩しい。
昨日このマンションに彼が来て、色々な話をしたせいでそれは夜中の二時ごろまで続いた。彼と暮らすのは一週間後ということで、それまではできるだけ身辺に気を付けるようにと釘を刺された。
「荷物はそんなにないから慌てなくてもいいかな?」
マンションは家具付きであった為に、ここを出る時もそれらを持って行く必要はない。この首都の賃貸も分譲も家具付きで貸したり売り出したりしている。この私の部屋も、私が出て行けばまた家具を新調するのだ。だから家具屋も様々なタイプの家具を店頭に出している。若者向きから少し年配が好みそうなものなどなど。一年中どこかしらで需要があるのだから家具屋も潰れることはない。
私は部屋を見回す。そして昨日彼が据わっていたソファの場所でそれが止まり、思わず苦笑を洩らしていた。
引っ越すまではできるだけ身辺に気を付けることの他にこう言われたのだ。
「知らない奴について行くなよ」
「え……? 知らない奴って、私はもう子どもじゃないですよ」
私がポカンしながら答えると、彼は大真面目な表情で人差し指を天井向けて軽く左右に振った。
「俺はよく言われた。知らない奴にお菓子を買ってあげるからおいでとか、君のお父さんが事故に遭った。すぐに病院に連れて行ってあげるから車に乗りなさいと言われても決してついていくなと」
「『ヒト』の女性が急に姿を消すって…… そんなこと、この首都で何のニュースに取り上げられていないじゃないですか」
これは重大事件だ。なぜなら『ヒト』が行方不明になるってことだから。しかし彼の話によると、行方不明になるだけではない。何人かは死体として見つかるのだそうだ。
「じゃあ、殺人事件じゃないですか! どうしてこのようなことを首都の警察は見逃しているんですか?」
「見逃しているんじゃない。捜査はしているんだが犯人を捕まえることができない。情報によるとその理由の一つに犯人が複数だと挙げられている」
「犯人が複数?」
「それに見つかった死体の状態もかなり酷い。苦痛に満ちた表情を浮かべたまま殺されている」
それは首を絞められたか刺されたか? しかし、彼の次の言葉に私の顔は血の気が引いていくのを感じた。
「生きたまま、意識のあるまま麻酔も何もかけられていない状態で生殖器を取り除かれている」
今日も朝日が眩しい。
昨日このマンションに彼が来て、色々な話をしたせいでそれは夜中の二時ごろまで続いた。彼と暮らすのは一週間後ということで、それまではできるだけ身辺に気を付けるようにと釘を刺された。
「荷物はそんなにないから慌てなくてもいいかな?」
マンションは家具付きであった為に、ここを出る時もそれらを持って行く必要はない。この首都の賃貸も分譲も家具付きで貸したり売り出したりしている。この私の部屋も、私が出て行けばまた家具を新調するのだ。だから家具屋も様々なタイプの家具を店頭に出している。若者向きから少し年配が好みそうなものなどなど。一年中どこかしらで需要があるのだから家具屋も潰れることはない。
私は部屋を見回す。そして昨日彼が据わっていたソファの場所でそれが止まり、思わず苦笑を洩らしていた。
引っ越すまではできるだけ身辺に気を付けることの他にこう言われたのだ。
「知らない奴について行くなよ」
「え……? 知らない奴って、私はもう子どもじゃないですよ」
私がポカンしながら答えると、彼は大真面目な表情で人差し指を天井向けて軽く左右に振った。
「俺はよく言われた。知らない奴にお菓子を買ってあげるからおいでとか、君のお父さんが事故に遭った。すぐに病院に連れて行ってあげるから車に乗りなさいと言われても決してついていくなと」

