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Eternal
第4章 :jealousy-嫉妬-
 それはそうだろう。友人だってこの首都に暮らす『ヒト』なのだから。
「首都は地方に比べて安全だって思っていたのに、全然そうじゃないじゃない」
 友人が私の手を両手で握ってくる。恐らく恐怖と不安を誰かの身体の一部に触れることで和らげたいのだろうが、友人の両手は小刻みな震えを起こし、その振動は私の手を伝って腕に流れた。
「ねえ、暫くの間、一緒に暮らさない?」
「え、一緒にって……」
 私は先の言葉を放とうとしてすぐさま止めた。
 私には彼という相手が現れたけれど、友人はまだ出会っていないのだろうか? 今の会話の雰囲気からしてそのようだ。しかし一週間後に引っ越しを控えている私。彼はその日まで毎日あのマンションへ来ると私に伝えてきた。彼の連絡先も知らないから、友人の家に泊まりに行ったとしたらきっと、彼は私を探し続けるだろう。
 心配をして――
 彼には心配をさせたくはないという強い気持ちが私の心に決心をさせる。それに私のマンションに友人を招き入れても、彼が登場したところで友人は疑問を抱くだろう。
 どうして私には相手が現れないの――? と。
「この新聞は信じられないって言ってたのはあなたでしょ?」
「でも、色々と疑問はあったわ」
 そういえば、友人はこの記事が信じられないと言いながら疑問もあるような言葉を発していた。
「ねえ、あなたのところに男の人来た?」
「男の人って……」
「私たちの相手になる『ヒト』であってそうでない……」
 友人は知っていたのだ。これは話がしやすいと私は尋ねた。
「あなたのところにも来たの?」
 私は尋ねたことをすぐに後悔をした。友人が強く唇を噛み締めたのを見た瞬間に。
「…… 私のところには来なかったの…… あのミスコンの勧誘に来た男性が私にこう言ったの。できれば彼からの了承が欲しいなって…… 私はそれが一体どういう意味なのか分からなかった。だから彼って誰? って聞いたら、何か……」
 友人はそこまで言うと頭を左右に軽く振る。
「ごめんなさいね。もしかしたら近いうちに会いに来るかもしれないわね」
 どうして友人のところに『E地区』の男性は来ないのだろう? 私の彼が来るのが速すぎたのか?
「今日の夜、泊まりに行こうか?」
 一度マンションに戻って彼が来たら説明をすればいい。そう考えた私が友人に伝えるが、友人はわざとおどけた表情を作って私に見せた。
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