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Eternal
第4章 :jealousy-嫉妬-

「へえ…… でも理由もなく毎回壊すかね?」
ニヤニヤと笑うそいつの口元から紙煙草を奪う。
「何をするんだよ?」
「しつこいと、こいつは没収だ」
「ああ、もう聞かないから返せ」
ニコチン切れなんだよと、そいつは呟きながら俺の手から自分が吸っていたそれを奪い返していた。
「しかし、無菌状態の俺たちがこんな害のあるもんを吸っていていいのかね?」
主流煙で輪っかを作りながら呟くそいつに、俺は短く説明をした。
「俺たちの細胞の中には煙草を吸っていたやつのものもあるからな」
いくら無菌状態にしたとしても、細胞内にある細胞の持ち主だった『ヒト』の生活習慣や遺伝子のような既に形作られたものまで消し去ることはできない。できるのは衛生管理であるからだ。だから『E地区』の男たちは各々個性が強い。
「なあ……」
「何だ?」
「何で細胞から作られる『E地区』の俺たちはみんな男なんだ?」
「それは……」
男のと違って、と説明をしようとした俺は目を見開いて目の前のそいつを見た。
「やつらの目的は細胞から女も作れるようにする」
言葉を失ってしまった俺の代わりにそいつが答えを出す。
細胞からの卵子複製の研究は今まで何度も行ってきた。しかし全てが失敗。人工的にもそれを試みてきたが実現には至らなかった。今起こっている事件は、それを可能にするために素材を必要としているのか?
俺の表情をずっと見つめていたそいつが人差し指でくいっと招きの動きをする。
「ようこそ、俺たちの世界へ……」
研究者の一員である俺にとって、この件はとても興味深いものであり、この件に関わりたい気持ちがどうやらそいつに知られてしまったようだ。
「来るんだろ?」
ニヤニヤと笑うそいつから俺は顔を背けた。
「この事件は専門的分野に詳しいやつも必要だろ」
「おやおや、すっごく恩着せがましい言い方だな…… しかし『ヒト』の女の影響力はすごいもんだな」
そいつは顔を背けた俺を見つめ続けながら呟く。
「早く、俺も初対面したいもんだよ……」
未完成の『E地区』の男たちは皆、不安を抱えている。
『ヒト』であってないようで、中途半端な存在。それが俺たちを不安にさせるのだ。
今は首都の『所有物』に登録されているが、完璧になるとこの島国の国籍を持つことができ、人権も取得できる。
「じゃあ、早くこの事件を解決しなきゃな」
ニヤニヤと笑うそいつの口元から紙煙草を奪う。
「何をするんだよ?」
「しつこいと、こいつは没収だ」
「ああ、もう聞かないから返せ」
ニコチン切れなんだよと、そいつは呟きながら俺の手から自分が吸っていたそれを奪い返していた。
「しかし、無菌状態の俺たちがこんな害のあるもんを吸っていていいのかね?」
主流煙で輪っかを作りながら呟くそいつに、俺は短く説明をした。
「俺たちの細胞の中には煙草を吸っていたやつのものもあるからな」
いくら無菌状態にしたとしても、細胞内にある細胞の持ち主だった『ヒト』の生活習慣や遺伝子のような既に形作られたものまで消し去ることはできない。できるのは衛生管理であるからだ。だから『E地区』の男たちは各々個性が強い。
「なあ……」
「何だ?」
「何で細胞から作られる『E地区』の俺たちはみんな男なんだ?」
「それは……」
男のと違って、と説明をしようとした俺は目を見開いて目の前のそいつを見た。
「やつらの目的は細胞から女も作れるようにする」
言葉を失ってしまった俺の代わりにそいつが答えを出す。
細胞からの卵子複製の研究は今まで何度も行ってきた。しかし全てが失敗。人工的にもそれを試みてきたが実現には至らなかった。今起こっている事件は、それを可能にするために素材を必要としているのか?
俺の表情をずっと見つめていたそいつが人差し指でくいっと招きの動きをする。
「ようこそ、俺たちの世界へ……」
研究者の一員である俺にとって、この件はとても興味深いものであり、この件に関わりたい気持ちがどうやらそいつに知られてしまったようだ。
「来るんだろ?」
ニヤニヤと笑うそいつから俺は顔を背けた。
「この事件は専門的分野に詳しいやつも必要だろ」
「おやおや、すっごく恩着せがましい言い方だな…… しかし『ヒト』の女の影響力はすごいもんだな」
そいつは顔を背けた俺を見つめ続けながら呟く。
「早く、俺も初対面したいもんだよ……」
未完成の『E地区』の男たちは皆、不安を抱えている。
『ヒト』であってないようで、中途半端な存在。それが俺たちを不安にさせるのだ。
今は首都の『所有物』に登録されているが、完璧になるとこの島国の国籍を持つことができ、人権も取得できる。
「じゃあ、早くこの事件を解決しなきゃな」

