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Eternal
第4章 :jealousy-嫉妬-
 そいつは慌ただしく動いている仲間に片手で軽く挨拶をしながら話を続けた。
「この島国内で闇に葬り去ろうとしても限度がある。いずれは誰かがそれを見つけ出して悪用をする。だから危険を冒してでも国外へ持ち出そうと考えたんじゃないのかなって俺は思う」
 どこにいても監視対象である島国民。その中でもその研究を成功させた男は特別に監視されていた。
 頭が切れすぎる男であり、首都の政府はそのような彼に畏怖を抱いたのだ。
「世界中が恐怖を覚えた島国の権力者は結局、自分たちと同じ民族である一人の男に恐怖を抱いたんだからな。遠い世界云々よりも身近に恐怖はあるもんなんだよ」
 そいつはそう言った後に俺の肩をポンと叩く。
「早く帰って少し寝ろ。そんな顔色で相手の女の所へ行ったら心配されるぜ」
 俺は横にあるガラス窓に自分の顔を映して見た。確かに酷い顔色をしている。従ってそこでそいつと別れた俺は、自分の暮らす自室へと帰った。
 自室に戻った俺はまずシャワーを浴び、軽く食べ物を摘まむとベッドへと向かった。しかし寝室へ入ったところで、先ほどまであった睡魔は全く消え去っていた。
 身体は疲れているのに、恐らく脳が興奮状態にあるのだろう。このままベッドに寝転がっても十分な睡眠がとれないような気がした俺は、服を着て彼女の所へと向かった。
 いつもより早く到着をすると思った俺は、ある店の店頭にあるディスプレイに目を奪われる。話には聞いていて知識はあったが実際には経験をしたことがない行事の飾りがそこにある。そしてこの時に彼女はこのような行事を大切にしているのだろうかと考えた。
「引っ越しは確か、三が日という一月……」
 一日だ――
 何てことをしてしまったんだと俺は口元を片手で塞いだ。彼女が行事ごとを大切にしているのならば、一日から引っ越しなど慌ただしいことをさせてしまって悲しむのではないかと思った。
 不動産屋にも何も言われなかったから気づかなかった。いや、俺自身がその行事を経験したことがなかったし、この首都でもあまりそのような雰囲気を出すことがなかったから、不動産屋も大した日だと気にも留めなかったのかもしれない。
「どうするか…… 不動産屋に連絡をして引っ越しの日を伸ばすか前倒しにするか…… いや、でも彼女はもうそのつもりかもしれないし……」
 俺の頭の中はどちらを優先するかでパニック状態だ。
 
 
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