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Eternal
第4章 :jealousy-嫉妬-
 最後の五位は肉じゃがで、この料理は過去からずっと上位に入っている鉄板ものらしい。かなり昔には一位を独占していたとも言われるくらいだ。
 肉じゃがは食べたことは何度もある。しかし作ったことはないし、これは少し自信がない。
「大体、あんな甘辛くするには何を入れたらいいのよ」
 これが未来の女性の料理に対する知識だ。砂糖が袋詰めで売られているなんて知らないし、醤油だってペットボトルみたいな入れ物に入って売られているのも知らない。
 私の中にある砂糖はコーヒーに入れるスティックシュガー、醤油は刺身のパックに入っている密封小袋しか知らない。料理をする必要がないから、大量の調味料など必要ないのだ。
「カレーライスなら作れるかな?」
 いつもはパウチのカレーをお皿に流し込んで食べているもの。中に入っているのは玉ねぎ、人参、ジャガイモ、肉、そしてカレーのルー。私はネットでカレーのレシピを探す。
「何…… ニンニクを油と炒めて香りづけって…… ローリエって何よ…… それにカレー粉? ルーじゃないの? あの塊の!」
 最後は思わず大声を放ってしまって、しまったと思い背後を振り返る。しかしよほど寝不足であろう彼の眠りをどうやら妨げてはいないようだ。私はほうっと安堵の溜め息を吐き出すと、再びそのレシピに目を向けながら部屋の中で呟きを起こす。
「注文をお願い。玉ねぎ一玉、人参一本、ジャガイモ二、三個、牛でも豚でもいいから肉を二百グラム、カレー粉、ニンニク、ショウガにローリエの葉を一枚。あっと、塩コショウと卵二個に福神漬け」
 すると、部屋から私の言葉を復唱する音が聞こえる。
「タマネギヒトタマ・ニンジンイッポン・ジャガイモニ・サンコ・ウシデモブタデモイイカラニクヲニヒャクグラム・カレーコ・ニンニク・ショウガ・ローリエノハイチマイ・シオコショウトタマゴニコニフクジンヅケ・ショウチイタシマシタ・タダイマカラチュウモンヲイタシマス・ザイリョウハニニンマエデヨロシイデショウカ」
「ええ、それでお願い」
 頼む時にこんなに長い注文をせずに、ただカレーの材料二人前で伝えれば良かったのだと気付いた私。しかし今まで料理の材料なんて頼んだことがなかったのだから仕方がない。
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