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Eternal
第4章 :jealousy-嫉妬-

その妬みのようなものが一気に吹き飛んだのは、俺の反応を見た瞬間に放った彼女の言葉だった。
そういえば俺がカレーライスを口に入れる前はかなり不安そうな表情をしていたような気がする。しかし今はどうだ? 俺が”美味い”という褒め言葉を放った途端に、彼女の顔の中にその色はなくなり、今は口角を思い切り上げて笑っている。これもなぜか俺の心の中に先ほどのとはまた異なる温もりを与えてきた。
腹も減っていたせいもあるのだ。しかし正直に言って美味いカレーライスを俺は五分も経たずに食べ尽して、ついでにお代わりまでしていた。
彼が手作りのカレーを全部食べてくれた時、私の中には嬉しさと作ったものをこうして食してくれる相手が一人でもいるのだという幸せが込み上げた。
彼は何度も美味いと言って、スプーンでカレーライスを掬っては口に運んでくれていた。無理に食べていないのは表情を見ただけで分かった。無表情に近いものではあったけれど、私には何となく分かったのだ。そして全てを食べ切っただけではなく、お代わりまでしてくれたのだ。小さな二人分のカレーが入った鍋とライスの入っていた小さな炊飯器は見事に空になっていた。
初めての料理がこうして成功したことの嬉しさのせいか、食洗器に皿を収めていく私の動きは軽やかだ。
「洗っておいてね」
そう伝えると、食洗器の中から聞こえるか聞こえないかの機械音が放たれ始めた。小さな音でも私にとっては煩く感じたそれが、今この瞬間は何とも感じない。その音を聞きながら顔を歪めるのではなくて頬を緩めてしまう。緩めてしまうなんてまだ可愛らしい言葉だ。
にやついてしまう――
もう、この緩みっぱなしの顔をどうにかしないと彼の前に行けないじゃないのと頬を両手でパパンッと叩いていると、
「何をしているんだ?」
「ひゃあぁっ!」
いつの間にか彼が私の背後にまで迫っていて、右横から私の顔を覗き見ようとしていた。
「ちょ、ちょっと、駄目! 駄目!」
「何が駄目なんだ? それに今の仕草を初めて会った夜にもしていただろう? それって何を意味する?」
「何を意味するって……」
初めて会った夜の日は気合を入れる為に叩いた。しかし今は違う。この赤くなっているだろう頬を思い切り叩いて赤くしましたよって見せる為の仕草だ。だからその場その場によって仕草の意味は異なってくる。
そういえば俺がカレーライスを口に入れる前はかなり不安そうな表情をしていたような気がする。しかし今はどうだ? 俺が”美味い”という褒め言葉を放った途端に、彼女の顔の中にその色はなくなり、今は口角を思い切り上げて笑っている。これもなぜか俺の心の中に先ほどのとはまた異なる温もりを与えてきた。
腹も減っていたせいもあるのだ。しかし正直に言って美味いカレーライスを俺は五分も経たずに食べ尽して、ついでにお代わりまでしていた。
彼が手作りのカレーを全部食べてくれた時、私の中には嬉しさと作ったものをこうして食してくれる相手が一人でもいるのだという幸せが込み上げた。
彼は何度も美味いと言って、スプーンでカレーライスを掬っては口に運んでくれていた。無理に食べていないのは表情を見ただけで分かった。無表情に近いものではあったけれど、私には何となく分かったのだ。そして全てを食べ切っただけではなく、お代わりまでしてくれたのだ。小さな二人分のカレーが入った鍋とライスの入っていた小さな炊飯器は見事に空になっていた。
初めての料理がこうして成功したことの嬉しさのせいか、食洗器に皿を収めていく私の動きは軽やかだ。
「洗っておいてね」
そう伝えると、食洗器の中から聞こえるか聞こえないかの機械音が放たれ始めた。小さな音でも私にとっては煩く感じたそれが、今この瞬間は何とも感じない。その音を聞きながら顔を歪めるのではなくて頬を緩めてしまう。緩めてしまうなんてまだ可愛らしい言葉だ。
にやついてしまう――
もう、この緩みっぱなしの顔をどうにかしないと彼の前に行けないじゃないのと頬を両手でパパンッと叩いていると、
「何をしているんだ?」
「ひゃあぁっ!」
いつの間にか彼が私の背後にまで迫っていて、右横から私の顔を覗き見ようとしていた。
「ちょ、ちょっと、駄目! 駄目!」
「何が駄目なんだ? それに今の仕草を初めて会った夜にもしていただろう? それって何を意味する?」
「何を意味するって……」
初めて会った夜の日は気合を入れる為に叩いた。しかし今は違う。この赤くなっているだろう頬を思い切り叩いて赤くしましたよって見せる為の仕草だ。だからその場その場によって仕草の意味は異なってくる。

