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Eternal
第4章 :jealousy-嫉妬-
でも彼と出会った日の夜以降は、そうしないと不安になる。そして今、彼の鼓動を掌で感じ取って、その不安が私の中から取り除かれた。しかしここで私は何てはしたないことを! パッと彼の胸から両手を離す。
「ご、ごめんなさいっ!」
 押し退けようとしただけのはずが、両腕の肘の関節は見事に曲がって、先程の彼との距離以上に密着を起こしていた。しかしこの後、頬を赤らめるよりも大変なことが私の身に起きる。
「胸には何かあるのか?」
 そう、彼はまだ『ヒト』としては未完成。
 彼の両手が私の胸に――
 ピタッと―― いや、フニャリと――
「いっ……」
 もう窒息死か悶絶死してしまうのではないかと思うくらいに、呼吸は苦しいのに心臓は胸が波打つくらいに激しく活発になる。
「おい、心拍数が上がっている。やっぱりどこか悪いんじゃないのか?」
 悪くはないですよっ! それよりもあなた、常識を分かって下さい!
 女性の胸に男性の手がこうもぴったりと当てられたら―― そしてこれがもしも外でだったとしたら――
 あなたは周りから――
「い、いやあああぁっ!」
 変態と思われますよっ!
 彼になんて絶対に伝わらない心の中で諌めの言葉を放ちながらも、口元からはそう言っている私が、彼をまるで変態扱いするような叫び声をあげてしまう。
 部屋の中では危険信号である赤い点滅が繰り返される。
「フシンシャ・カクニン・イマスグキンキュウツウホウイタシマス」
「ち、違うの…… 違うから、お願いだから通報しないでっ!」
「何で通報するんだ?」
「わ、私が叫び声を上げたから、セキュリティが危険を察知したんです!」
「危険? 何が危険なんだ?」
 私は彼に人差し指を鋭く向けた。
「あなたが今、この中で危険人物だと扱われているんですよっ!」
「えっ、俺が!? 何で俺が怪しまれなければならないんだ!」
 初めて彼が声を大きく出した。その大きさに釣られて私も大声を放つ。
「あ、あなたが私の胸を触ったからに決まっているじゃないですか!」
「胸を触ったくらいで何で通報されなきゃならない! それにあんたも何であんな大声で叫ぶんだ!?」
 彼は理解してくれない。女性の胸を触ることがこの島国ではどれだけの危険行為かということを――
 二人で何とかセキュリティの危険察知を解除しようと試みるがそれは徒労に終わる。
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