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Eternal
第4章 :jealousy-嫉妬-

そうして衣服を先に詰め終えた私は次に下着を入れ始めた。すると背後から声がかかる。
「ちょっと、いいか?」
彼の声は普通だ。でも私はさっきの彼の言葉を聞いてから沈んでいた。だから声音も少し低い。
「はい、どうぞ」
消えかかりそうな声音。できれば彼と同じく普通にしたいのにそれができない。ドアが開き、彼の姿が現れる。
「あのさ、さっきのことだけど…… ごめんな」
何に対して謝っているのか分かっている私。でもなぜかその件から逃げたくなる。
「え、何のことですか? 謝らないといけないことしました? そ、それよりもですね、今引っ越しの用意をしていたんですけど、私、本当に荷物が少なくて、このキャリーバッグだけで済みそうですよ」
嫌な女だ――
自分でそう思う。だって言葉は普通を装うとしているのに心の中は複雑で、そのどこかで勝手に傷ついていて、頬は必死に笑おうとして引き攣りを起こしているし、なぜか目頭から目尻に向かって熱い液体が溢れ出て頬に流れ始める。それを見た彼が目を見開かせた。そして私の目の前まで足早に歩み寄ると、これで何度目だろう。私の頬を自分の服の袖で拭ってくれる。
本当に私はずるい。こうして泣けば、彼はすぐに駆け寄ってくれて涙を拭ってくれると今までの経験で知っているから。
そうだ―― 私は彼に気にかけて欲しいし、興味を持って欲しいと思っている。突然で驚いたけれど、胸じゃなかったら触れて欲しいと思っていた自分がこの身体の中に在る。
こうして涙を拭う為に頬に触れて欲しいし、私だって彼にほんの少しでも触れられるのならと、バンドエイドを貼り直したりもした。
「わ、私の方こそ、すみませんでした。あの、胸を触られた経験があまりありませんでしたし、突然だったので……」
もう止まって…… 止まれっ!
私の意思とは反対に心は暴走を始めていて、頬を流れ始めた涙は彼が何度も拭ってくれても拭いきれない程の量になっている。
まだ出会って間もない彼。そのような彼に、私が彼のものだと宣言された時は最初は突然すぎて納得がいかなかったけれども、その言葉に嫌悪感を抱くこともなくて、反対になぜだか妙に嬉しかった。そうだ、私はもう彼のものなのだと一人で勝手に自意識過剰になっていて、でも彼にとって私は好きだとか愛しているとかという感情なんてなくて、ただの子孫を残す為の相手で――。
「ちょっと、いいか?」
彼の声は普通だ。でも私はさっきの彼の言葉を聞いてから沈んでいた。だから声音も少し低い。
「はい、どうぞ」
消えかかりそうな声音。できれば彼と同じく普通にしたいのにそれができない。ドアが開き、彼の姿が現れる。
「あのさ、さっきのことだけど…… ごめんな」
何に対して謝っているのか分かっている私。でもなぜかその件から逃げたくなる。
「え、何のことですか? 謝らないといけないことしました? そ、それよりもですね、今引っ越しの用意をしていたんですけど、私、本当に荷物が少なくて、このキャリーバッグだけで済みそうですよ」
嫌な女だ――
自分でそう思う。だって言葉は普通を装うとしているのに心の中は複雑で、そのどこかで勝手に傷ついていて、頬は必死に笑おうとして引き攣りを起こしているし、なぜか目頭から目尻に向かって熱い液体が溢れ出て頬に流れ始める。それを見た彼が目を見開かせた。そして私の目の前まで足早に歩み寄ると、これで何度目だろう。私の頬を自分の服の袖で拭ってくれる。
本当に私はずるい。こうして泣けば、彼はすぐに駆け寄ってくれて涙を拭ってくれると今までの経験で知っているから。
そうだ―― 私は彼に気にかけて欲しいし、興味を持って欲しいと思っている。突然で驚いたけれど、胸じゃなかったら触れて欲しいと思っていた自分がこの身体の中に在る。
こうして涙を拭う為に頬に触れて欲しいし、私だって彼にほんの少しでも触れられるのならと、バンドエイドを貼り直したりもした。
「わ、私の方こそ、すみませんでした。あの、胸を触られた経験があまりありませんでしたし、突然だったので……」
もう止まって…… 止まれっ!
私の意思とは反対に心は暴走を始めていて、頬を流れ始めた涙は彼が何度も拭ってくれても拭いきれない程の量になっている。
まだ出会って間もない彼。そのような彼に、私が彼のものだと宣言された時は最初は突然すぎて納得がいかなかったけれども、その言葉に嫌悪感を抱くこともなくて、反対になぜだか妙に嬉しかった。そうだ、私はもう彼のものなのだと一人で勝手に自意識過剰になっていて、でも彼にとって私は好きだとか愛しているとかという感情なんてなくて、ただの子孫を残す為の相手で――。

