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Eternal
第4章 :jealousy-嫉妬-
 悪い方向へと考え始めるとどんどん沈み込んでしまう。
 私がなかなか泣き止まないからか、彼の表情が困り顔で、妙に落ち着きがない。だって、前に私が泣いてはいないが悩んでいた時に誰かに教えてもらった、女が泣いたらキスをするか抱き締めるかをしたらいいなんてことを私が相手にもよると言って断ったから、今はどうしたらいいのか分からないようだ。そんな彼の姿が可愛らしくて、それに胸を触られた後に彼が咄嗟に出した感情と仕草。声音が少し大きくなって、セキュリティを解除するのに焦っていた。それに今も困惑した表情を浮かばせながら小さな声音で話している姿も何だか――。
「俺はまだ、『ヒト』に対する気持ちがよく理解できないからあんたを傷つけてしまうこともこれからはあると思う。でも、それに対してはできるだけ気を付けるようにする。それにあんたもさっきのあいつみたいに蹴っても殴ってもいいから注意をして欲しい。それは禁句だとかさ」
 だから――
 彼が笑う。不安な形を私の瞳に焼き付けて――
「これからも一緒にいて欲しい、駄目かな?」
 そうだ、彼はまだ感情が分からない未完成。だから恋とか愛とかという高度な感情なんて理解できなくて当然だ。だからそれ以前の感情だって分かるわけがない。それを私がこれから教えてあげていけばいいことだ。とは言っても、私も恋愛初心者のような気もするけれど、まあ地方にいた頃には、友人たちとそのような類の会話をしたこともあるし、恋愛小説だって読んでいた。もちろん、その小説のような美しい恋や愛じゃないかもしれないけれど、ある小説にあった、女性が恋する男性に振り向いてもらえるような内容のものが。そんなふうに私も彼にもっと振り向いてもらえるようにしていこうと考えながら、今気づいた。
 私、もしかしてこれが初恋なの?
 その瞬間、私の頬が先ほどと同じく熱を起こし始める。
「おい、また赤くなっているぞ」
「だ、だから違うんですって! これは今……」
 私がペチペチと自分の頬を叩いていると、彼は初めて楽しそうに笑い声をあげた。
「叩く前から赤くなっていたけどな」
 彼はこんなふうに笑うんだと思いながら片掌を彼の方へと伸ばすと、やはり彼は今の私の仕草が何なのかと言うように首を傾げる。
「これからよろしくお願いしますという意味で握手です。握手は知っていますよね?」
「手を用いた挨拶の行動の一つだな」
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