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Eternal
第2章 :Discomfort-違和感-
 その動きを見た母親と呼ばれる女性は私の身体に初めて触れると、強く抱き締めて静かに嗚咽を漏らした。この時にその女性の涙で濡れた肩の湿り気の感触が私の記憶の中に鮮やかに残っている。
 何だろう――
 その女性の涙の湿り気は気持ちが悪いものではなく――
 温かな家庭の香りがしたような気がして、この時に私はもっとこの人たちと早くにこうしていたかったと初めて後悔をしていた――。

 私が小学生に入ると、厳しい教育が待ち受けていた。それは規則とかのものではない。かなり高度な勉学が私を苦しめた。辛いのは当たり前だろう。なぜならば、小学校に入るまでの私はほとんど野生児に近いような暮らしをしていたのだから、自由をいきなり奪われてにこやかに楽しくなんて過ごすことはできなかった。そして、ここでもある違和感を覚える。
 他国との交わりもないというのに、なぜ外国語を習わなければならないんだろう?
 どうしてこんなにも勉強の進行が速いの?
 教師の教える速度に頭の中は既に爆発寸前だ。それでも何とか6年間は耐えて勉学に励んだ。そして中学校と呼ばれる教育施設に入った私には、更に過酷な教育が与えられた。
 周りを見てみると、私と数人の子ども以外の彼らは普通の授業をしているようで、余裕ある学校生活を送っているようだ。思い出してみれば、私のクラスは数人の子どもで成り立っているのに対して、彼らは1クラスに3~40人で構成されていた。休み時間を使って私たちが前の時間に習った復習をしている時、彼らは運動場と呼ばれる広場で和気あいあいと遊び耽っていた。
「私たちは特別らしいよ」
 特別? 何よそれ……
 あるクラスメイトの女子が私にそう囁いてきた。その理由を聞けば何とも頭にくる内容。ただ、両親が揃っているかそうでないかの問題だけだったらしい。
 両親が揃っているだけで特別――? 揃っていないから特別じゃない――?
 特別な私たちがなぜ、このように苦しくて辛い思いをしなくちゃならないの?
 両親が揃っていた私の生活環境はとても優遇されていた。しかし、両親と呼ばれる彼らがここに来なくなってから既に10年近くになっているのに、私にはもう両親がいないも同然のようなものなのに、厳しくて辛い勉学生活以外ではかなりの高待遇だった。それは私のクラスメイトも同様だった。
 ただ、両親が揃っているという理由だけで、だ。

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