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Eternal
第4章 :jealousy-嫉妬-

一度ここから出されたらもう、戻って来れないことは何を意味するのか、彼女たちは既に理解している。だからここに閉じ込められるまで浮かべていた笑みなど全く見せなくなっていた。防音ガラスの内側は清潔で、毎日風呂に入れている。女たちが不潔であれば、男の研究に支障が出るからだ。快適な空間の中で朝昼晩としっかりと食事も与えているが、彼女たちの頬はこけ始めていて生きることに諦めを感じている、いわば生気がない。しかし男には防音ガラスの向こう側の女たち個々には全く興味を持たなかった。
男が持っている興味の対象は、この防音ガラスの隣りの部屋に存在するカプセルの中。男はそちらの方に歩んで行き部屋に入る為のセキュリティを解く。するとドアは滑らかな動きでその男を迎え入れる姿勢を見せた。ドアが開くと、男は担いでいた死体をその場にドスンと落とす。何ともぞんざいな扱い方。しかし男にとって死体はもう何の価値もないガラクタだった。
男は部屋の中に入ると大きく深呼吸を起こす。カプセルの周り、いや、部屋中に色とりどりの花々が生けられていた。
「君には華やかよりも品のある花が似合う。ああ、ここが萎れ始めているね。また新鮮な花たちを持って来るよ」
男はそう言いながら萎れた花を掴み取り、ドアの向こう側へと放り投げる。そして部屋をぐるりと見回して、他にそのような花がないか確認をした後にカプセルに向かって指を鳴らす。と、カプセルの蓋がゆっくりと上がり始めた。本体と蓋が隙間を作り始めると、その個所から白煙が部屋に向かって漏れ出てくる。それはカプセルのすぐ傍にある花々を白く染め上げていく。男も白煙が出始めてから、自分が身に纏っているコートのボタンをしっかりと留めると、その両脇にあるポケットから手袋を一つずつ取り出して手にはめた。
白煙が天井に向かって伸びていくが、それは途中で透明な空気と混ざり消えていく。男は中がはっきりと確認できる状態になってから、そこを覗き込む。そして優しい笑みを浮かべながら手袋をはめた手を伸ばした。
「素手で触れられないのが残念だ。でも、そうしないと僕の手が凍傷を起こしてしまうし、僕の手の熱で君の身体を腐らせてしまう」
先ほどの防音ガラスの向こう側の女たちに向かって放った声音とは全く異なる甘くて艶のあるそれがこの部屋で響く。
男が持っている興味の対象は、この防音ガラスの隣りの部屋に存在するカプセルの中。男はそちらの方に歩んで行き部屋に入る為のセキュリティを解く。するとドアは滑らかな動きでその男を迎え入れる姿勢を見せた。ドアが開くと、男は担いでいた死体をその場にドスンと落とす。何ともぞんざいな扱い方。しかし男にとって死体はもう何の価値もないガラクタだった。
男は部屋の中に入ると大きく深呼吸を起こす。カプセルの周り、いや、部屋中に色とりどりの花々が生けられていた。
「君には華やかよりも品のある花が似合う。ああ、ここが萎れ始めているね。また新鮮な花たちを持って来るよ」
男はそう言いながら萎れた花を掴み取り、ドアの向こう側へと放り投げる。そして部屋をぐるりと見回して、他にそのような花がないか確認をした後にカプセルに向かって指を鳴らす。と、カプセルの蓋がゆっくりと上がり始めた。本体と蓋が隙間を作り始めると、その個所から白煙が部屋に向かって漏れ出てくる。それはカプセルのすぐ傍にある花々を白く染め上げていく。男も白煙が出始めてから、自分が身に纏っているコートのボタンをしっかりと留めると、その両脇にあるポケットから手袋を一つずつ取り出して手にはめた。
白煙が天井に向かって伸びていくが、それは途中で透明な空気と混ざり消えていく。男は中がはっきりと確認できる状態になってから、そこを覗き込む。そして優しい笑みを浮かべながら手袋をはめた手を伸ばした。
「素手で触れられないのが残念だ。でも、そうしないと僕の手が凍傷を起こしてしまうし、僕の手の熱で君の身体を腐らせてしまう」
先ほどの防音ガラスの向こう側の女たちに向かって放った声音とは全く異なる甘くて艶のあるそれがこの部屋で響く。

