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Eternal
第4章 :jealousy-嫉妬-
 もうすぐcarnival(祭り)が始まる。
 男にとっては願ってもない祭り。この祭りでまた、あの防音ガラスの向こう側に研究材料が入る予定。
「待っていて…… 必ず君の身体を元通りにしてみせるからね」
 男はそう呟くと、カプセルの中に顔を押し込ませるような動きを起こし、手袋のはめた手を広げてある箇所を覆うと、そこに愛し気なキスを何度も落とした。


 朝からどんよりとした雲が空を覆っている。冬の雨は外に出ると肌寒さが一層強さを増す。
 俺は研究所から出ると羽織っているコートの前を片手でしっかりと重ねた。
 昨夜、彼女のマンションでちょっとした事件を起こして警察機関に世話になってしまったが、まあ何とか騒動も治まり、彼女との関係も普通に戻った。握手を続けているとあの男が部屋にずかずかと踏み込んできて俺の手を彼女のそれから剥がしとるように離した。
「男が未婚の女のマンションに遅くまで留まるのはあまりよろしくない」
 なんて言って俺の手を引っ張って部屋から出る。男に引っ張られるままに背後を振り向くと、彼女は握手をしていた時と同じ形を取ったまま、ポカンとして突っ立っていた。
 俺は男の今取った行動に少し疑問を生じて伝えてみる。男が未婚の女のマンションに留まるのがあまりよろしくないのなら、さっきのあんたの行動は何だ? と…… さっきまでは相手の承諾やら何やらと偉そうにほざいていたのに、彼女の部屋に許可もなくいきなり踏み込むのもよろしくないのでは? と。すると男はニヤリと笑んで俺に言葉を返してくる。
「俺は警察機関所属だからな。無許可で現場に入らないといけない時もあるんだ」
 何とも勝手な言い訳だ。俺は彼女の部屋に入る時にはちゃんと許可を取ったぞと伝えると、男は次に感心したような笑みを浮かべた。
「そうか、お前も少しは礼儀ってものを分かってきたか」
 いや、分かったというわけではなくて、この行動は研究所でもしていることだ。別の部屋に入る時には必ず許可を得てから入らないといけない決まりになっているのだから、俺の身体にはそれが癖ついているだけだ。それなのに男は嬉しそうな笑みをずっと浮かべていて、正直言って気持ちが悪い。まあ、昨夜のことは既に終わったことであり、あれこれ考えてむかついていても仕方がない。俺は研究所から出た足を自分の住まいの方へと向けて歩いて行く。


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