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Eternal
第4章 :jealousy-嫉妬-
 私が小さな声音で申し訳なさそうに伝えると、男性は納得したように頷いた。
「ああ、あいつが来るんだ。そういえば昨日も俺のところに来た時、妙にそわそわしていたけれど、今日も来るんだ」
 そして鼻をヒクヒクと動かした後ににんまりと笑った。
「で、手料理? あいつも幸せ者だなぁ。俺なんてさぁ……」
 と、次には不満気な表情を浮かべながら開いたままの玄関のドア向こうに視線を放り投げていた。
 外は先ほどよりも激しい雨。この雨は首都が計画的に降らせているのだろうかと考えていると、
「この雨は自然のものだよ。首都もそこまで鬼畜じゃない。天気だけは自然に任せている。でないと『ヒト』の身体に異常を来すらしいし」
 私の考えたことを見透かしたように説明をしてくれた。しかし『ヒト』の身体に異常を来すとはどういう意味だろうと、男性の言葉の一句一句に敏感に反応してしまう。そのような私を見ていた男性がケラケラと笑った。
「あんた面白いね? やっぱり『ヒト』は違うな、俺たちとは違ってさ」
 その言葉の中に含まれた微かな感情を私は見逃さなかった。『ヒト』を羨んでいる。嫉妬をしている、そのような色を含ませた言葉に。 
「表情がすごい豊かだ。ってことは俺の相手の彼女もあんたみたいなのかな? 彼女と一緒に過ごすようになったら俺は……」
 最後は言葉になっていないが、男性の口元の動きで私は男性の中に『ヒト』に対する嫉妬が大きいことを知る。
 『ヒト』になれるのかな――
「『ヒト』になれるのではなくて、彼やあなたはもともと『ヒト』じゃありませんか」
 慰みで出た言葉じゃない。私は当然の言葉を放ったつもりだ。しかし男性は私のこの言葉をいたく気に入らなかったようだった。
「俺やあいつがあんたらと同じ『ヒト』だって? それならあんたは自分が生まれた瞬間の記憶があるのか? 乳児が寝返りを打ったり這いつくばるのは可愛らしいものさ。だが俺たちはこの大きさのままでそれをしてきたんだぜ」
 それを研究者たちは面白がって見ていた。
「いくら進化したものやら何とか言われていても、結局俺たち『E地区』の男たちはあんたらとは違うんだよ」
 男性はそう吐き捨てると、いきなり私の腕を掴んできた。
「い、痛い!」
 警察機関所属だけのことはある。鍛えられた握力によって容赦のない力で掴まれた腕が悲鳴を上げる。
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