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その匂い買います
第1章 その匂い買います
今回はインターネットカフェの入っているビルの前で、落ち合う約束をした。相手の女性が、
「ホテルですと抵抗がありますので、漫画喫茶やインターネットカフェとかで、お願いできませんか」
と、中塚にメールを送り、中塚は、
「構いませんよ」
と、承諾したからだった。
中塚はインターネットカフェの店舗が入っている、5階建てのビルの前に来ていた。今夜も例外なく、吉祥寺の街は人々で賑わいを見せていた。中塚の前を次々に人々が、通り過ぎて行く。
待ち合わせ時間の10分前に、到着をしていた。中塚の前に一人の女性が現れた。
「シュウジさんですか? 」
「ええ、シュウジです」
「恵美です」
恵美と自己紹介をした女性は、みるからにキャリアウーマン風の容姿で、髪型はショートヘアで後ろ髪が、ちょうど耳の付け根辺りまで伸び、目は一重で鋭く鼻は筋が通り、唇はやや薄目と言った感じだった。
中塚は恵美の顔から徐々に視点を下していく。白い開襟シャツに、黒いビジネス用のスカートを履き、左肘からは黒いビジネスバッグをぶら下げ、開かれたバッグからは、バインダーに挟まった書類が、たくさん見え隠れしていた。
見るからに仕事のできそうな、聡明な感じがする女性であった。
「ごめんなさいね、こんな格好で、仕事帰りですので」
「構いませんよ。お忙しい中貴重な時間を切り裂いてお会いして頂き、ありがとうございます」
「いえいえ、諭吉さんお持ち帰りできますので」
恵美は微笑んでいた。
低音の声に、はっきりとした口調で話をする、恵美と言う女性は、中塚にとって、どのような影響を与えるのであろうか。理想とするものに近づけるのか、それとも、まったく別のなにかに辿りつくことになるのか。中塚は期待と不安が入り交じっていた。
2人は1階の出入り口にあるエレベーターに乗り込み、3階へと向かう。エレベーターの中で、中塚は、
「今度こそは、理想の匂いに巡り合いたい」
心の中で呟いた。
エレベーターが3階に到着した。
扉が開き、中塚が先に降りる。次に恵美がおり、中塚は扉を開けて中に入ると、すぐ右手側に受付のカウンターがある。
「ペアフラットの部屋は、空席はありますか」
「はい。空いております」
女性の店員が笑顔で答えた。
「21番ルームへどうぞ」
2人は21番ルームに入った。
「ホテルですと抵抗がありますので、漫画喫茶やインターネットカフェとかで、お願いできませんか」
と、中塚にメールを送り、中塚は、
「構いませんよ」
と、承諾したからだった。
中塚はインターネットカフェの店舗が入っている、5階建てのビルの前に来ていた。今夜も例外なく、吉祥寺の街は人々で賑わいを見せていた。中塚の前を次々に人々が、通り過ぎて行く。
待ち合わせ時間の10分前に、到着をしていた。中塚の前に一人の女性が現れた。
「シュウジさんですか? 」
「ええ、シュウジです」
「恵美です」
恵美と自己紹介をした女性は、みるからにキャリアウーマン風の容姿で、髪型はショートヘアで後ろ髪が、ちょうど耳の付け根辺りまで伸び、目は一重で鋭く鼻は筋が通り、唇はやや薄目と言った感じだった。
中塚は恵美の顔から徐々に視点を下していく。白い開襟シャツに、黒いビジネス用のスカートを履き、左肘からは黒いビジネスバッグをぶら下げ、開かれたバッグからは、バインダーに挟まった書類が、たくさん見え隠れしていた。
見るからに仕事のできそうな、聡明な感じがする女性であった。
「ごめんなさいね、こんな格好で、仕事帰りですので」
「構いませんよ。お忙しい中貴重な時間を切り裂いてお会いして頂き、ありがとうございます」
「いえいえ、諭吉さんお持ち帰りできますので」
恵美は微笑んでいた。
低音の声に、はっきりとした口調で話をする、恵美と言う女性は、中塚にとって、どのような影響を与えるのであろうか。理想とするものに近づけるのか、それとも、まったく別のなにかに辿りつくことになるのか。中塚は期待と不安が入り交じっていた。
2人は1階の出入り口にあるエレベーターに乗り込み、3階へと向かう。エレベーターの中で、中塚は、
「今度こそは、理想の匂いに巡り合いたい」
心の中で呟いた。
エレベーターが3階に到着した。
扉が開き、中塚が先に降りる。次に恵美がおり、中塚は扉を開けて中に入ると、すぐ右手側に受付のカウンターがある。
「ペアフラットの部屋は、空席はありますか」
「はい。空いております」
女性の店員が笑顔で答えた。
「21番ルームへどうぞ」
2人は21番ルームに入った。